20代リハビリ職のまじめな資産運用

20代リハビリ職で働く投資家です。 積立NISAでeMAXIS Slim 先進国株を積立中。企業型DCでも、先進国株に積立しています。

税金の基本的なところ ―公的年金制度―

今回は、金融庁の報告書の「老後2000万円不足」でも話題になった公的年金制度について解説していきます。

 

年金は老後生活する上で経済的な根幹を為すものです。
自分が今支払っている保険料が将来どれくらい受け取れるかを知っておくことはライフプランを形成する上で欠かせないことだと思います。

 

そのためには、まず公的年金制度の概要を知っておく必要があるのではないでしょうか?
今から一緒に勉強していきましょう。

 

それでは本題へ。

 

 

公的年金制度とは?

公的年金制度は、加齢などによって働けなくなったり、お金を稼ぐ能力が低下してしまったときに備えるための社会保険制度の1つです。

 

社会保険は、大きく3つ分けられます。

  • 医療保険
  • 年金保険
  • 労働保険
  • 介護保険

今回は2番目の年金保険のところを解説していきます。

 

仕組み

日本の公的年金制度は、「2階建て」で構成されています。
1階部分 ⇒ 20歳以上60歳未満の国民全員が加入する国民年金(基礎年金)
2階部分 ⇒ 主に会社員・公務員が加入する厚生年金

  

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参考:日本の公的年金は「2階建て」 | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省

 

ちなみに、日本の全体的な年金制度は3階建てで構成されており、3階部分は確定拠出年金等の私的年金になります。
過去の記事も参考にしてみてくだい。

 

www.ptinvestor.com

 

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日本の公的年金制度では、年金給付に必要は財源を現役世代が支払う仕組み
である賦課方式が採用されています。

 

この賦課方式には、メリット・デメリットの両方があり、メリットとしては、インフレリスクに強いことで、受給時点での円の価値を調整した金額を受け取ることができます。

デメリットとしては、人口減少の影響を受けやすく、日本のような少子高齢化が

進んでいる国では、将来的に年金受給額が減る可能性があるということです。

 

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参考:日本の公的年金は「2階建て」 | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省

 

財源

公的年金制度の財源は、①保険料   ②国庫負担   ③積立金  の三本柱からなります。

 

①保険料は、
自営業者などの国民年金の第1号被保険者による国民年金保険料とサラリーマンなどの国民年金の第2号被保険者の労使折半による厚生年金保険料などからなります。

 

②国庫負担は、
消費税などの税金が形を変えて年金に充てられています。
平成16年度の年金制度改正で基礎年金国庫負担は2分の1に引き上げられました。

 

③積立金は、
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による年金積立金の運用で得られた収益です。平成29年度の運用実績は、収益額約10兆円(運用資産額約156兆円の+6.9%)となっています。

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参考:年金積立金管理運用独立行政法人

 

 

保険料の計算

国民年金と厚生年金を合計した保険料は給料の約18%と言われています。(半分は会社が負担)

 

国民年金 ⇒ 原則として全員同じ保険料(平成31年度時点で月額1万6410円)
国民年金の保険料は徐々に上がって現在の1万6410円となっています。

 

厚生年金 ⇒ 所得に応じて保険料は変化
健康保険の記事でも出てきた、標準報酬月額(4,5,6月の給与を基に計算)に保険料率を掛けて、算出された金額を健康保険の時と同様、保険料表に当てはめて、等級に応じて保険料が変わってきます。

 

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参考:保険料額表(平成29年9月分~) |日本年金機構

 

いつから・いくら受け取れる?

実は、年金受給には3つの種類があります。

  1. 老齢年金:原則65歳から
  2. 障害年金:怪我や病気などで障害認定を受けた場合
  3. 遺族年金:生計維持関係にある被保険者が死亡した場合

 

年金を老後になってから受け取る「老齢年金」だけではなく、怪我や病気になった場合の「障害年金」や亡くなった遺族に対する「遺族年金」もあります。

 

ここは知らなかった人や誤解されていた人は多いんじゃないでしょうか?
この記事では、老齢年金について解説していきます。

 

老齢基礎年金

老齢基礎年金は「マクロ経済スライド方式」を採用しており、賃金や物価の変動に応じて受給額の調整を行っています。
20歳から60歳の40年間すべて保険料を納めていれば月額6万5000円の満額を受け取ることができます。(平成31年度時点)

 

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参考:平成31年度の年金額改定について|厚生労働省

 

 

老齢厚生年金

老齢厚生年金は、「報酬比例制度」により受給額が決定されます。
老齢厚生年金の保険料 ✕ 加入期間に応じて受給額が増減します。
つまり、加入期間が同じと仮定すると、収入が多い人は収入が少ない人よりその分保険料を多く納めているため、将来受け取れる年金額は多くなります。

 

個々人が将来の年金額を予測する上で、活用できるのがねんきん定期便です。
ねんきん定期便は、過去の納付した保険料に基づく年金額と将来納付する保険料に基づく年金額を合算すれば、将来受け取れる大まかな年金額がわかります。

 

平成29年度の国民平均は、14万4903円でした。
現在の受給世代は、女性は結婚後の専業主婦となる世帯が多いため、受給額の男女差が大きいです。

男性の平均受給月額 ⇒ 16万5668円
女性の平均受給月額 ⇒ 10万3026円
参考:平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省

 

老齢年金の繰り上げ・繰り下げ受給

老齢基礎年金、老齢厚生年金ともに、受給開始時期は原則として65歳からです。
しかし、受給開始時期を最大60歳に早めたり(繰り上げ)最大70歳まで遅くしたり(繰り下げ)して年金を受給することが可能です。

 

繰り上げた場合は、繰り上げた月数 ✕ 0. 5%が減額され、
繰り下げた場合は、繰り下げた月数 ✕ 0. 7%が増額されます。

 

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公的年金とはどんな制度?老齢・障害・遺族年金を徹底解説!|楽天生命保険

 

メリット

公的年金制度のメリットについて簡単にまとめてみました

  • インフレに強い
  • 第2号被保険者は厚生年金を会社が半分負担
  • 年金財源は国が税金で補填している
  • 年金給付は老後だけではない
  • 保険料は所得控除対象

 

 

デメリット

公的年金制度のデメリットについて簡単にまとめてみました。

  • 今後給付額は減少していく見込み
  • 公的年金だけでは老後生活する上でもちろん足りない

 

おわり

いかがだったでしょうか?
個人的にはなかなか内容の濃い記事になった気がします。

 

できるだけ公的年金制度の概要を伝えるために、それぞれ大まかに解説していきました。
アドバイス、ご意見等あればコメントいただければありがたいです。

 

それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。