20代リハビリ職のまじめな資産運用

20代リハビリ職で働く投資家です。 積立NISAでeMAXIS Slim 先進国株を積立中。企業型DCでも、先進国株に積立しています。

積立額は少ないが投資を早く始めるのと、積立額は多いが投資を遅く始めるのとではどれくらいの差があるか?

 

今回は「積立額は少ないが投資を早く始めるのと、積立額は多いが投資を遅く始めるのとではどれくらいの差があるか?」について解説していきます。

 

「投資はまとまったお金が必要」、「生活防衛資金が貯まってから」という人は多いかと思います。
投資はお金がまとまってから始めるものというのは一昔前の投資に対する思い込みだと思います。
また生活防衛資金はたしかに大切ですが、貯めながら少額でも投資をしていくのではだめなのでしょうか?

 

そのあたりをシミュレーションをしてみて、解説していきたいと思います。

 

それでは本題へ。

 

 

先日の金融庁報告書では「老後2000万円不足する」が話題となっていました。
国民の資産形成の自助努力を促すには大きなインパクトとなったと思います。

 

その金融庁報告書では、もう1つ重要なことが書かれており、それが「長期・積立・分散の有効性」に関することです。
P20、21に書かれています ➡ 金融庁報告書

 

私はこの中でも特に「長期」つまり「投資期間の長さ」が将来の資産形成に大きく影響するのではないかと考えます。
毎月の積立額の多い少ないよりも。

 

いまだに投資はまとまったお金が必要だと思い込んでいる人は多いかと思います。
一昔前はたしかにそうでした。まとまったお金がないと証券会社は相手にしてくれませんでした。
また、昔の投資信託は証券会社が回転売買などで手数料を稼ぐ道具として使われており、個人投資家には利益を生んでくれる商品ではなかったのです

 

しかし、現在では金融庁が投資信託の回転売買の規制などに対して顧客本位の業務運営がなされるように銀行・証券会社等に調査・改善を図っています。
また、NISA制度では金融庁が定める要件を満たす比較的優良な投資信託が組み込まれ、庶民でも安全に投資ができる環境が整ってきています。

 

NISAの要件をもとに解説した記事を貼っておきますので、参考にしてみてください。

www.ptinvestor.com

 

では、「投資期間の長さ」が将来の資産形成にどれくらい影響するのかをシミュレーションをしてみましょう。

 

積立シミュレーション

このシュミレーションでは「金融庁の資産運用シミュレーション」を使用しています。


想定利回り3%、投資期間を30年・15年・10年、積立額を5万・10万・15万と、投資期間を1/2にすれば積立額を2倍となるようにして、投資期間が満期時の元本が同じ額になるように設定しました。

また、年1回の複利計算をしています。

投資期間30年、毎月5万円の積立、想定利回り3%

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投資期間15年、毎月10万円の積立、想定利回り3%

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投資期間10年、毎月15万円の積立、想定利回り3%

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シミュレーション結果

投資期間30年と10年を比較すると、約817万円の差があります
そして、投資期間が長いほど運用収益も多くなっています。
このような結果になった理由としては、時間と複利の相乗効果だと考えられます。

 

複利の計算式はこのようになります。f:id:PTInvestor:20190716091951p:plain
A=1年あたりの複利回数(今回は1回)、B=運用期間中の全複利回数

 

今回のシュミレーションではBの値のみ違うことになります。
計算しなくても投資期間が長いほどBの値が大きくなり、元本合計額が大きくことが分かるかと思います。
つまり、投資期間が長いほど複利効果が効いて、資産総額が大きくなるということです。


投資期間が長いほど平均期待収益率は収束していく

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参考:第3回 長期投資のメリットとは - 投資信託協会

まず1年投資の収益率を見ると、平均は+12.9%となっていますが、投資期間が1年であるためこの数値はあまり意味をなしません。
なぜなら、最高で+72.1%のリターン、最悪で −24.1%の損失となっており、振れ幅が大きすぎるためです。

 

ただ、5年、10年と見ていくと規則性があることが分かるかと思います。
だんだんと損失の機会が少なくなり、利益の機会が多くなっていっています。
最終的(30年)には、平均収益率の近くに収束していっており、最低でも+6.8%の利益を獲得することができます。

 

あくまで過去のデータによるものなので、今後どうなっていくかは誰にも分かりません。


世界的には人口は増え続けており、世界の経済成長率も約2〜3%で成長し続けています。
また、資本主義社会である以上、世界経済は成長していく方向へ進むと考えられます。

 

つまり、誰も予想できない将来のことや短期的な暴落に怯えることは、長期投資においてあまり意味がないのです。

まとめ

  • 少額でも投資期間が長いほうが最終的な資産額は大きい
    ➡ 複利と時間の相乗効果
  • 投資期間が長くなるほど平均収益率は利益に収束していく
  • 世界経済が成長していく方向にBetし続けることが最適解

 

おわり

いかがだったでしょうか?


いくつかの記事でも書いたと思いますが、資産形成においては「とにかく早く始めること」が大切です。
また、始めてみてわかってくることも多いかと思います。

 

資産が大きくなれば経済的にも精神的にも安定します。