貯蓄型思考から投資型思考へ ―金利のお話―
今回は金利をもとに貯蓄型思考から投資型思考への転換の重要性について解説していきたいと思います。
この「金利」についてですが、最近だと「アメリカのFRBが利上げをする」や「トランプ大統領がFRBの利上げに怒っている」などのニュースでよく出てくるワードです。
「金利」について書き出すと複雑化しすぎてしまいそうなので、軽く解説しながら書いていきたいと思います。
それでは本題へ。
金利とは?
金利とは、「お金の貸借料」と表現することができます。
お金を持っている人がお金を必要としている人に貸した場合、借りた人はいくらかの貸借料を上乗せしてお金を返します。貸した人は貸したお金に上乗せされた貸借料を受け取ることができます。
この貸借料が金利ということです。
「金利」と聞くと、なぜか難しそうなイメージがありますが、私たちの身の回りの生活でもごく普通に使われている仕組みなのです。
金利は何で決まるのか?と疑問に思った方は多いんじゃないでしょうか?
金利に影響を与える要因はさまざまです。
景気、物価、為替市場、株式市場、中央銀行の金融政策、政府の財政政策などです。
つまり、金利動向を読み解くということは、経済動向を読み解くということになります。
金利と経済との関係性についてはまた記事にして解説したいと思います。
バブル時代の普通預金金利は3%、定期預金金利は8%
バブル時代の普通預金金利と定期預金金利の推移について見てみましょう。
過去最高の普通預金金利は1980年あたりの利率3%です。
定期預金金利に関しては1990年の利率6%が過去最高となっています。
資産運用では3%〜5%が合格ラインとされています。
バブル時代の普通預金金利・定期預金金利ともに資産運用の合格ラインに達しているのです。
つまり、バブル時代は銀行にお金を預けているだけで資産運用が成り立っていたのです。
しかし、現在の日本の普通預金金利や定期預金金利はマイナス金利の影響などで 、普通預金金利は0.001%、定期預金金利は0.01%となっています。
例えば、銀行に100万円の預貯金を預けたとすると、利息は10円しかありません。
この原因としては、バブル崩壊後の20年を「失われた20年」とも言われているように、デフレの慢性化や株価低下など景気悪化の状態が続いていたためです。
不景気のときは資金需要を増やすために、利下げをして金利を低下させる「金融緩和」を行います。
しかし、この金融緩和の効果が上手く発揮されず、低金利の状態がずるずると続いているのが現実です。
日本人の金融資産
金融庁のデータをもとに日本人の個人金融資産を内訳を見てみましょう。
分かりやすいよう米国と英国のデータをつけて比較してみます。
日本人の個人金融資産において、預貯金・現金が半分以上を占めています。
ちなみに、このデータは2015年末のデータになりますので、内訳の推移もデータで見てみましょう。
1979年から見ても、個人金融資産における預貯金・現金の割合は7割から低下したものの、5割程度で推移しています。
貯蓄型思考から投資型思考へ
先ほども説明したように、日本の個人金融資産における預貯金・現金の割合は5割程度で推移し続けています。
他国に比較しても、かなり高い割合を預貯金・現金が占めています。
この理由として、高度経済成長期からバブルにかけては、銀行にお金を預けているだけで年利回り3〜5%の立派な資産運用となっていたからです。
それらに加えて、バブル時代の貯金最強説の名残とバブル崩壊による株価低下が日本人の貯蓄型思考を強めていってしまったのだと思われます。
しかし、バブル崩壊後は金利も低下しており、低金利の状態が続いているため、昔のような金利収入はほぼなくなったと言ってもいいでしょう。
もう今の時代では、預けているだけで資産が増えていくようなことはないのです。
つまり、貯蓄型思考から投資型思考へと転換していかないといけないと言うことです。
個人金融資産額の推移を他国と比較して分かるように、日本の個人金融資産の伸び率はかなり低いものとなっています。
今後の日本は、少子高齢化で将来の自分の年金だけで生活していくことは難しいとされており、国も自助努力による資産形成を促しています。
その背景には上で示したデータが物語っています。
もう今の時代は(かなり昔から言われていますが…)貯蓄型思考ではいけないのです。
貯蓄型思考からお金に働いてもらう投資型思考に切り替えていかなければなりません。
おわり
いかがだったでしょうか?
今日は金利をもとに貯蓄型思考から貯金型思考への転換について解説していきました。
もう昔のような考え方では、今の時代において十分な資産形成をすることはまずできないでしょう。
思考の転換が重要です。
そのためには、お金の勉強をするしかありません。
このブログでは今後もお金に関する知識を提供できるよう記事を書いていきますのでどうぞよろしくお願いします。
それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。