20代リハビリ職のまじめな資産運用

20代リハビリ職で働く投資家です。 積立NISAでeMAXIS Slim 先進国株を積立中。企業型DCでも、先進国株に積立しています。

企業型確定拠出年金の統計資料について

今回は企業型確定拠出年金(企業型DC)の統計資料を見ていきましょう。

データはすべて運営管理機関連絡協議会の資料を用いています。

 

年々増加していると言われている確定拠出年金の人口。

では実際に加入者の年代割合やどんな商品を選択しているのでしょうか?

 

残念ながら、確定拠出年金でも預貯金・保険などの元本保証型を選択している人

が全体の50%以上を占めています。

 

国は日本人の投資意識改革として確定拠出年金の普及拡大を目指していますが、

あまり効果が出ていないようです。

 

では本題へ参りましょう。

 

 

 

加入者数の推移

まずは企業型DCの加入者数推移を見ていきましょう。

f:id:PTInvestor:20190619161411p:plain

導入事業所は年々増加しており、それに伴って従業員の加入者数も右肩上がりに

伸びていっていますね。

 

2018年の総務省による労働力調査では、就業者は6664万人

(男性3717万人、女性2946万人)となっています。

 

その中でも、正規職員・従業員は3485万人、非正規職員・従業員は2120

万人となっています。

 

つまり、正規職員・従業員の約20%は企業型DCに加入しているという計算

になります。

 

もちろん、企業型DCを導入していない企業もあるので絶対的な数字ではありません。

 

加入者の内訳

年代別の加入者内訳資料です。

 

f:id:PTInvestor:20190619162644p:plain


40歳代の加入者が最も多くなっており、全体の約33%を占めています。

20歳代は全体の約17%。

 

人口動態から、20歳代より30歳代、30歳代より40歳代の方が多いので

一概にどの年代に加入者が多いとは言い切れません。

 

ちなみに、男女別割合は男性8割、女性2割で推移しています。

 

 

運用商品の選択状況

全年代の運用商品の選択状況です。

 

f:id:PTInvestor:20190619163826p:plain

グラフからも分かるように、預貯金・保険の元本保証型商品が

半分以上を占めています。

これは企業担当者も個々人も、説明すること・考えることを放棄していると

捉えられても致し方ないですね。

 

私の会社の確定拠出年金に関する説明会では、

「分からなければ元本保証型を選んでください」とだけ説明されました。

皆さんの会社でもそう言われた方は多いんじゃないでしょうか?

 

損失が出たときに責任を負わされるのが嫌だというのは分かりますが、

企業担当者は、もう少し投資教育をしっかりするべきです。

また、個々人もこれを機に金融リテラシーを身に付ける努力するべきです。

 

折角、運用益が非課税になるのですから、その利点を生かして運用するべきだと

思います。

貯金・保険は確定拠出年金以外でやればいい話です。

 

これでは確定拠出年金が普及拡大したところで、日本人の投資意識改革は全く

為されません。

 

もう少し外国株式や債権の比率が上がってきてほしいところです。
 

 

年代別運用商品の選択状況

年代別運用商品の選択状況です。

 

f:id:PTInvestor:20190619165142p:plain

 

20歳代の商品選択状況では、預貯金・保険が約60%を占めています。

 

20歳代ならもっとリスクを取って、株式比率100%あるいは他の商品よりも株式比率が高い選択にするべきです。

 

そこから年を重ねるごとに株式比率を下げて、債権などの低リスク商品の比率を上げて運用リスクを調整いけばいいと思います。

 

また、マッチング拠出をしている人であれば毎月の掛け金は60歳まで資金縛り

されます。

 

そのデメリットを飲んでまでマッチング拠出をするのであれば、

預貯金を選ぶのはおすすめできません。

 

それなら、いつでも資金を引き出せる銀行などで預貯金をするべきです。

いくら掛け金が所得税・住民税の節税になろうとも。

 

 

パッシブファンドか?アクティブファンドか?

投資信託等のパッシブ・アクティブ比率です。

 

f:id:PTInvestor:20190619171217p:plain

 

国内株式のみパッシブ・アクティブの割合が五分五分になっていることが

驚きです。


アクティブファンドとは、インデックス(株価指数)を上回ることを目指して

運用を行うファンドです。

 

しかし実際には、アクティブファンドの70%〜80%はインデックスファンド

に負けているというデータがあります。

 

大手投信評価会社であるモーニングスターの調査によると、

国内株式クラスのアクティブファンドのインデックスファンドに対する勝率は

1年で26%、3年で33%、5年で39%、10年で39%です。

 

アクティブファンドがインデックスファンドに負けてしまう一番の理由は、

アクティブファンドの運用コストが高いことです。

 

損保ジャパンDCの同じベンチマークとする商品で比較してみましょう。

・インデックスファンドTOPIX(パッシブ) ⇒ 信託報酬 0.6696%

・損保ジャパン日本株ファンド(アクティブ) ⇒ 信託報酬 1.512%

 

どちらも同じベンチマークを設定していますが、運用コストは2倍以上の差です。

 

国内株式のアクティブファンドを選んでいる5割の方はこの事実を知っていて

いるのでしょうか?

 

おそらく、このことを知らずにアクティブファンドの方が平均以上を目指して

くれるから儲かりそうと思って、選択していそうですね。

 

皆さんも運用コストには特に注意して運用商品の選択をしてください。

 

 

おわり

今回は企業型DCのの統計資料をもとに記事を書いていきました。

いかがだったでしょうか?

 

全体の50%以上が預貯金・保険などの元本保証型を選択しているという

状況から分かるように、日本人は投資に対して消極的ですね。

 

日本人の投資意識改革がもっと進むように、企業担当者・個々人の努力が

必要になってきます。

 

今後老後は国に面倒を見てもらうのではなく、個人でどうにかしていく

という流れが強くなっていくでしょう。

 

ここまで見ていただきありがとうございました。

投資はあくまで自己責任。