20代リハビリ職のまじめな資産運用

20代リハビリ職で働く投資家です。 積立NISAでeMAXIS Slim 先進国株を積立中。企業型DCでも、先進国株に積立しています。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の統計資料について

今回は企業型DCの統計資料に引き続き、個人型確定拠出年金(iDeCo) の統計資料について解説していきます。
今回もデータは主に運営管理機関連絡協議会の資料を用いています。

 

iDeCoも年々加入者数が増加しています。
企業型DC以上に多い投資先からどの商品を選んでいるのでしょうか?

 

企業型DCとだいたいは同じ傾向ですが、1つだけ面白い結果が出ていました。
それでは見ていきましょう。

 

 

加入者数の推移

 まず加入者数の推移を見ていきましょう。

 

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2017年から2018年にかけての伸び率が驚異的です。
ほぼ倍増に近いくらい。
企業型DCとは違った伸び方をしています。

 

2018年8月では加入者数100万人を突破したそうです。
この増加率に最も寄与しているのが「第2号被保険者」です。
また、加入率が最も高いのが「公務員」となっています。

 

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出典:大和総研 「100万人突破のiDeCo、次なる狙いは若年層」

 

加入者数は100万人したものの加入率を見るとまだ5%未満です。
まだ国民の一部しか利用していない状況です。
しかし、これから加入者数はまだまだ増えていきそうですね。

 

 

加入者の内訳

加入者の年代別内訳です。

 

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40歳代が全体の40%を占めており最も多いです。
対して20歳代の割合が全体の5%と低くなっています。

 

つみたてNISAは20歳代〜40歳代の口座開設が多く、iDeCoでは40歳代の利用が増えています。
今後は20歳代〜30歳代の利用増加を促す必要があるでしょう。
  

 

 

運用商品の選択状況

運用商品の選択状況です。

 

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企業型DCと比較して預貯金・保険の元本保証型が半分以上の60%を占めています。

 

iDeCoは開設作業が面倒なので、ある程度資産運用の勉強をした人の割合が多く、もう少し預貯金・保険の割合が低くなると予想していましたが、反対に企業型DCより占める割合が大きくなっていました。

 

iDeCoでは、企業型DCのように企業担当者が説明してくれる機会などもちろんなく口座開設から運用まですべて自分でしなければいけません。
また、最初に2777円+167円/月の運用コストがかかってきます。

 

掛け金に対する運用コストを計算してみました。
iDecoで、
月1万円拠出する場合 ⇒ 月167円のコスト = 1.67%の運用コスト
月2万円拠出する場合 ⇒ 月167円のコスト = 0.835%の運用コスト

 

毎月これだけの運用コストがかかるなら、元本変動型でコツコツ資産を増やしていかないともったいない気がします。

 

 

年代別商品選択状況

年代別運用商品の選択状況です。

 

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企業型DCと比較して、若い世代で外国株式の割合が多いですね。
反対に国内株式の割合は少なくなりました。

 

企業型DCのと同様に、どの年代でも預貯金・保険の元本保証型が半分以上を占めています。

 

iDeCoでは、企業型DCの運用商品と比較して、信託報酬手数料が格安の商品がラインナップされているのでもっと株式の比率が増えて欲しいところです。

 

同じベンチマークとする商品をSBI証券と企業型DCで比較してみましょう。

  • eMAXISSlim 先進国株式インデックス ⇒ 0.11772%以内
  • DC外国株式インデックス・オープン  ⇒ 0.8640%

 

どちらもMSCIコクサイをベンチマークとするインデックスファンドです。
なので運用成績はほぼ一緒になりますが、運用コストは企業型DCの方が約7倍多く支払わないといけません

 

iDeCoでは優良投資信託商品を多く扱っていますので、特に若い人はリスクを取って、株式への投資比率を上げていってほしいところです。

 

 

パッシブファンドか?アクティブファンドか?

投資信託等のパッシブファンド・アクティブファンドの比率です。

 

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見て分かるのが、年齢が上がっていくほどアクティブファンドの割合が多くなっています。
バランス型では60歳以上の63%がアクティブファンドを選択しています。
これは面白いというか衝撃的な結果ですね。

 

ちなみに、インデックスファンドは市場平均の運用成績を目指すファンドです。
アクティブファンドは市場平均以上の運用成績を目指すファンドです。

 

つまり、アクティブファンドは平均以上の儲けを出せる可能性がありますが、代わりにインデックスファンドより運用コストが高くなります。

 

同じベンチマークとする商品をインデックスファンドとアクティブファンドで比較してみましょう。

  • eMAXISSlim 先進国株式インデックス ⇒ 0.11772%以内
  • ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け)⇒ 1.4364%

 

どちらもMSCIコクサイをベンチマークとするファンドです。
しかし、運用コストに約12倍の差があります。

 

もちろん、投資成績は市場平均を目指すものと市場平均以上を目指すものなのでまったく同じとはなりません。

 

ですが実際には、アクティブファンドの70%〜80%はインデックスファンドに負けているというデータがあります。

 

大手投信評価会社であるモーニングスターの調査によると、国内株式クラスのアクティブファンドのインデックスファンドに対する勝率は1年で26%、3年で33%、5年で39%、10年で39%です。

 

アクティブファンドがインデックスファンドに負けてしまう一番の理由は、アクティブファンドの運用コストが高いことです。

 

アクティブファンドを選択する人の心理としては、一発逆転を狙っていくというものでしょう。

 

しかし、現実にはアクティブファンドの方が負けてしまう確率が高いのです。
投資教育が為されていない結果でしょう。

 

皆さんも運用コストには十分に気をつけてください。

 

 

おわり

いかがだったでしょうか?
今回は前回の企業型DCに引き続き、iDeCoの統計資料をもとに記事を書いていきました。

 

企業型DCとiDeCoともに預貯金・保険の元本保証型商品を選択する人が多いという結果になっていました。

 

所得税・住民税を節税できるのは、節税手段が限られている会社員にとっては非常に大きなメリットです。

 

しかし、本当の目的はそこではなく、自分に合った運用商品を選択して老後に向けてコツコツ資産形成をしていくことが本当の目的ではないでしょうか?

 

貯金・保険では元本は減らないですが、資産は増えていきません。
いま一度、ご自身の運用商品を考え直してみてください。

 

ここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。