観光の流れを読む ―観光白書―
今回は観光庁が毎年報告している「観光白書」について解説していきます。
観光白書では、世界の観光客の動向や日本の観光客の動向、またそれに対してどのような施策を打っていくかが述べられています。
かなり分量が多いのでかいつまんで書いていきたいと思います。
それでは本題へ。
国際観光客数の推移
国連世界観光機関(UNWTO)の2019年の発表では、2018年の世界全体の国際観光客数は前年より7400万人増(対前年比5.6%増)となり14億人に達しています。
参考:観光白書|観光庁
国際観光客数と世界の実質GDPには強い相関関係が認められており、最近では国際観光客数の伸びが上回っている状況です。
地域別国際観光客数の推移
UNWTOによると、2018年の地域別観光客数の推移は、欧州で3820万人増(前年比5.7%増)、アジア太平洋は1960万人増(前年比6.1%増)、米州は610万人増(前年比2.9%増)となっています。
参考:観光白書|観光庁
国際観光客数の地域別シェアでは、欧州が約半数を占めていますが、近年ではアジア太平洋のシェア拡大に伴い、減少傾向にあります。
それでもヨーロッパは根強く人気な旅行先となっています。
外国人旅行者受け入れ人数ランキング
2017年の外国人受け入れ人数ランキングでは、
1位 フランス(8692万人)
2位 スペイン(8187万人)
3位 米国 (7694万人)
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12位 日本 (2869万人、アジアでは3位)
参考:観光白書|観光庁
日本は島国であり、訪日客は空路もしくは海路に限られています。対して、欧州は多くの国が隣国と接しており、ユーロ圏であれば国から国への行き来が比較的容易にすることができます。
たとえば、鉄道であったり自動車であったり。
空路または陸路による条件付で外国人受け入れ人数を見てみると、
1位 スペイン(6854万人)
2位 米国 (4898万人)
3位 イタリア(3575万人)
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8位 日本 (2869万人、アジア2位)
1位のスペインは世界遺産の数がイタリア、中国に次いで多い47個の世界遺産を有しています。
最近、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことが話題でしたが、スペイン料理は2010年に登録されています。
あとは、スペインらしい闘牛や世界でもかなり人気で有名選手が数多くいるサッカーなどがランキング1位になった要因ではないでしょうか。
ここまでは世界の観光動向について解説していきましたが、次は日本の観光動向について見ていきましょう。
日本の観光動向
訪日外国人観光客数は近年では年々増加しており、2018年では過去最高の3119万人であり、初めて3000万人を突破しました。
2020年にはオリンピックを控えており、さらなる訪日観光客数の増加が見込まれると予想されています。
参考:観光白書|観光庁
アジアからの訪日外国人観光客数は、2637万人(前年比8.3%増)となり、全体の84.5%を占めている状況です。
国別の内訳で見てみると、1番多い国が838万人の中国です。次いで754万人の韓国、476万人の台湾となっています。
消費動向
もちろんのことですが、インバウンドの増加に伴って、訪日観光客による消費が増加しています。
2018年の訪日外国人旅行消費額は4兆5189億円となっています。
訪日外国人旅行消費額の国別内訳で見ても、観光客数と同様、中国・韓国・台湾が全体の6割を占めています。
では、一体なににお金が使われているのでしょうか?
費用別に訪日外国人旅行消費額の内訳を見てみましょう。
参考:観光白書|観光庁
一番多くを占めているのが買い物代です。
特にこの買い物代が多い国が中国になります。その額8110億円。
一時期「中国人の爆買い」が話題になっていましたね。
次いで台湾、韓国、香港となっていますが、それぞれ1000億円程度です。
かなりすごい額なんですが、中国と比較してしまうと見劣りしてしまいます。
今後の対応策
まずは、多言語対応や無料Wi-Fi、キャッシュレス対応等の訪日外国人にとって「当たり前」のサービスを整えていくことが重要であると述べられています。
また、宿泊先の数の確保や宿泊サービスの生産性向上についても重要であるとされています。
キャッシュレス決済は、現在様々な企業が参入してきています。
特に昨年は「paypay」が話題になりましたね。
かなり便利ですし、現金以外の支払いはグローバルスタンダードとなっています。
筆者も、楽天ペイあるいは楽天カードによる決済がほとんどで、最近は現物のお金を使う機会がめっぽう減りました。
あとは多言語対応もかなり重要だなと感じます。
特に飲食店では重要なのではないでしょうか?
先日、ちょっと高級な焼き肉屋さんに行ったときに、隣が外国人の方でした。
食べ物の内容について店員さんに聞いていたと思うのですが、その店員さんは英語対応できず、おそらく英語対応できる専門スタッフを呼んできて対応していました。
もし、英語対応できるスタッフが少なく、外国人客に対するサービスに手が回らなければお互いにとってマイナスなことにしかなりません。
そのためには、誰でも使える翻訳サービスの充実が急務ですね。
おわり
いかがだったでしょうか?
今回は主に観光庁の観光白書について解説していきました。
観光白書は毎年報告されていますが、かなり文量が多い報告書となっています。
でも、データも多くついていますので自分の知りたいところを視覚的にすぐ分かるため読みやすいかと思います。
是非、ご一読を。
それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。