20代リハビリ職のまじめな資産運用

20代リハビリ職で働く投資家です。 積立NISAでeMAXIS Slim 先進国株を積立中。企業型DCでも、先進国株に積立しています。

金利から経済を読む

今回は金利について解説していきます。
最初は金利の概要について書いていき、あとは経済との関係性についても簡単に解説できればなと思います。

 

金利については難しいイメージを持たれている方が多いと思いますので、できるだけ分かりやすく書くように頑張ります。

 

それでは本題へ。

 

 

金利とは?

金利とは、「お金の貸借料」と表現することができます。
お金を持っている人がお金を必要としている人に貸した場合、借りた人はいくらかの貸借料を上乗せしてお金を返します。貸した人は貸したお金に上乗せされた貸借料を受け取ることができます。

 

この貸借料が金利ということです。
「金利」と聞くと、なぜか難しそうなイメージがありますが、私たちの身の回りの生活でもごく普通に使われている仕組みなのです。

想像しやすい例をあげてみると、
たとえば、家を購入する際はほとんどの方が住宅ローンを組みますよね。そして月々「借り入れ金額を割った金額+金利(利率分)」の支払いを行います。

 

貸借の仕組みは1200年前の日本においてすでに存在していたように、現在においても必要不可欠な仕組みとなっています。
そして、貸借の仕組みに必ず付随してくるのが貸借料(金利)なのです。

 

では金利は何で決まるのか?と疑問に思った方は多いんじゃないでしょうか?


金利に影響を与える要因はさまざまです。
景気、物価、為替市場、株式市場、中央銀行の金融政策、政府の財政政策などです。
つまり、金利動向を読み解くということは、経済動向を読み解くということになります。

 

金利が変動する要因

金利は、取引期間によって2種類に分かれます。

  1. 短期金利
    期間1年以内の取引が行われる金融市場において指標とされる金利が「短期金利」となります。
  2. 長期金利
    期間1年を超える取引が行われる金融市場において指標とされる金利が「投機金利」となります。

短期金利は日銀の金融政策で変動

まず短期金利の指標金利は「無担保コール翌日物金利」を指標金利としています。
簡単に説明すると、銀行、証券会社などが、他行あるいは他会社から無担保でお金借りて、翌日に返済する取引で使われる金利を意味します。

 

この短期金利に強く影響を及ぼすのが「日銀の金融政策」です。
理由としては、通貨の発行権限を持っている日銀が短期金融市場において公開市場操作(資金介入)を行うことで、短期金利の誘導を行うからです。
そのため、無担保コール翌日物金利は日銀の政策金利ともいいます。

 

ではどのように公開市場操作を行うかについて、
好景気(インフレ)のときには、「金融引き締め」を行い、市場の資金供給量を減らすことで、金利を引き上げる方向へ誘導します。

不景気(デフレ)のときには、「金融緩和」を行い、市場の資金供給量を増やすことで、金利を引き下げる方向へ誘導します。

 

<金融緩和の例>
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参考:【日経新聞を読み解くコトバ】「異次元緩和」って何が“異次元”なの? | Gaku-yomu / がくよむ|学生主役のモラトリアムWEBマガジン

 

長期金利の指標は「新発10年物国債の利回り」

長期金融市場は債券市場を考えてもらっていいでしょう。
債券市場にはさまざまな種類がありますが、その中でも最も重要なものといえば「新発10年物国債利回り」です。

なぜなら、最も信用リスクが低い政府が発行する国債は、流通利回りが最も低くなるからです。
そして、新発10年物国債の流通利回りは原則として、他の債券と比べて最も低くなるためです。
これを基準に長期貸出金利、住宅ローン金利などが設定されています。

基本的に、長期金利も「景気の動向」で変動します。
長期金利はお金の需給バランスによって変動し、好景気のときには資金需要が高まるため、金利も上昇方向へ引っ張られます。
反対に、不景気のときには資金需要が低くなるため、金利は下降方向へ引っ張られます。

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参考:長期金利推移グラフ | 日本相互証券株式会社

 

金利と経済の関係性

  1. 経済成長率(名目GDP)と長期金利
    まずGDP(国内総生産)とは、一定期間に国内で新たに作られたモノ・サービスの付加価値(売上 ー 原材料費)の合計金額のことです。
    国の経済規模を図るときによく用いられています。

    経済成長率が高い=景気が良いということなので、資金需要は高まります。
    つまり、「経済成長率⬆=長期金利⬆」、「経済成長率⬇=長期金利⬇」です。

  2. 物価と長期金利
    ・物価上昇 ➡ 金利上昇
    ・物価下落 ➡ 金利低下

    理由としては、
    物価上昇でインフレ(物価⬆、お金の価値⬇)の気配が出てきたときには、企業も個人も値段が上がる前にモノ・サービスを買う、買いだめを起こります。
    その結果、モノ・サービスの売上が伸びるため、企業はさらに生産拡大・経営拡大などを行うために、銀行などで借り入れを行ったりします。
    つまり、資金需要が高まるために金利が押し上げられるということです。

  3. 為替相場と金利
    ・円高 ➡ 輸入品の価格下落 ➡ 物価下落 ➡ 金利低下
    ・円安 ➡ 輸入品の価格上昇 ➡ 物価上昇 ➡金利上昇

    逆に金利が為替相場に影響を与えることもあります。
    例えば、信用リスクが同じ程度と仮定して、海外の金利が上昇して、日本の金利が低下すれば、資金は金利の高い海外に流れやすくなります。
    その結果、海外通貨が買われ、円安に傾く形となります。

 

世界経済に影響を及ぼすFRBとは?

FRB(連邦準備制度)とは、アメリカの中央銀行です。
日本の中央銀行である日本銀行と同じように、金利や物価などのコントロールを行っています。

しかし、FRBによる影響力はアメリカ国内の経済だけでなく、世界各国の経済に及びます。
理由としては、米ドルを基軸通貨として世界経済はアメリカを中心に回っているからです。
また、世界の株式時価総額でもアメリカは約7割を占めているため、世界経済に与える影響力はかなりのものです。

www.bbc.com

このように、FRBが利上げをするかしないかのニュースは日本でもよく取り上げられるニュースです。

 

おわり

いかがだったでしょうか?
今回は金利について解説していきました。

金利は難しいというイメージを持たれている方が多いと思いますので、できるだけわかりやすいように書いていったつもりです。
分かりにくければごめんなさい笑

 

それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。