保険料、どうやって決まっているか知っていますか?
今回は、保険料の内訳と保険の選び方に関する考え方を解説していきます。
保険の商品についてもざっくり解説します。
今回の記事の内容は「マイナス金利」について少し触れているところがあり、前回の「金利に関する記事」に関連することなので、良かったらこちらも読んでみてください。
それでは本題へ。
保険とは?
保険とは、偶然に発生する事故(保険事故)によって生じる財産上の損失に備えて、多数の者が金銭(保険料)を出し合い、その資金によって事故が発生した者に金銭を給付するための制度です。
参考:保険 - Wikipedia
保険料の中身
保険料は、「純保険料 + 付加保険料」からなります。
純保険料とは、将来の保険金・給付金に充てられる部分のことを言います。
大数の法則に従って、事故の発生確率から、純保険料を算出します。
付加保険料とは、保険会社の運営経費に必要な費用です。
主に、人件費や販売代理店への支払い、デレビCMや新聞などの広告費を含みます。
保険料の違い=付加保険料の違い
同様の保険内容であれば、保険会社が違っても純保険料の部分はほぼ変わりません。
純保険料は大数の法則に従って、事故の発生確率から計算されるので、実際に計算してみましょう。
事故(死亡)の発生確率は厚労省の「年齢別に見た死亡率のデータ」を参考にします。
補償金額を1000万円と設定した場合、
大数の法則に従って計算するとこのように純保険料の目安が算出されます。
ちなみにライフネット生命では、純保険料と付加保険料の内訳が公表されています。
ライフネット生命の保険料内訳表の中の純保険料を何年度のデータを参考に計算されたかは分からないですが、上で実際に計算した金額とほぼ同じような金額が純保険料として設定されています。
では、保険会社によって保険料に違いがあるのはなぜでしょう?
実際に、アクサダイレクト生命の定期死亡保険の保険料を見てみましょう。
<35歳男性、補償額1000万円、保険期間10年>
参考:定期死亡保険のシミュレーション | アクサダイレクト生命保険
ライフネット生命では1068円/月ですが、アクサダイレクト生命では1360円/月で、約300円の差があります。
保険内容としては同様の内容であるため、アクサダイレクトの方が付加保険料が300円分高いということになります。
つまり、アクサダイレクト生命の方が広告料や人件費、その他運営費用に回すお金が多いということになります。
また、今回はどちらもネット保険で比較しましたが、店舗営業で保険会社をやっているところはもう少し差額が出るかもしれません。
続いて、保険の大まかな種類について解説していきます。
貯蓄型保険
貯蓄型保険とは、保険期間の満了時に満期保険金を受け取ったり、解約したときに解約返戻金を受け取ったりすることができる保険商品です。
つまり、貯蓄性がある保険ということです。
種類
- 保険期間は被保険者の一生涯にわたり、保険期間中に解約などをすると、「解約返戻金」としてお金を受け取れることができる商品
例)終身保険など - 保険期間が決まっており、保険期間が満了したときに被保険者が生存している場合に、お金を受け取れることができる商品
例)養老保険、学資保険など - 保険料を積み立て、一定の年齢を迎えると給付金(年金・一時金)を受け取ることができる商品
例)個人年金保険など
掛け捨て保険
掛け捨て保険とは、解約返戻金や保険期間満了時に受け取れるお金がないか、あってもごく少額となる保険商品です。
保険料を支払って、事故が起こらなければなにもなし、事故が起これば補償されるということです。
もちろん、貯蓄型保険よりも保険料は安くなります。
保険会社によっては10分の1の保険料で補償内容は同じの場合も。
種類
- 定期保険 :一定期間のみを保険期間とする死亡保険
- 収入保障保険:被保険者が亡くなった場合に毎月一定金額が貰える保険
- 医療保険:病気やケガによる入院・手術などに備える保険
- がん保険:がんに特化して保障する保険
結局どうすればいいのか?
ここは個々人の考え方にもよりますが、「貯蓄型保険」は必要ないです。
理由としては、
- マイナス金利の影響が大きい
- 解約返戻金はほとんどの期間で元本割れする可能性がある
- 保険料が高い
- 保険料控除は支払い金額に対する節税メリットが薄い
保険会社は、基本的に保険料を日本国債で運用しています。
しかし、マイナス金利の影響で国債による運用利回りが低下しています。
その影響として、保険商品の標準利率が引き下げられたり、保険料が高くなったりと貯蓄型保険の魅力はかなり薄れてきています。
しかも、中途解約時に貰える解約返戻金は元本割れするリスクに比べ、リターンはあまり期待できるものではありません。
「保険は保険」、「貯蓄は貯蓄」、「投資は投資」、「節税は節税」と分けて考えなければなりません。
つまり、保険に加入するとしたら掛け捨て保険で十分です。
保険に貯蓄性やリターンなどを求めることはお門違いということです。
保険は「一種の賭け」みたいなもので、
例えば、40歳であれば人口10万人に対して93.1人が死亡する確率に月々や年間の保険料をbetしているということです。
それが当たれば(この場合だと死を意味しますが…)補償金が貰えて、ハズれれば胴元にお金を取られるということです。
まとめると、マイナス金利である今は貯蓄型保険の魅力は薄まっています。そのため、保険・貯蓄・投資は分けて考えて、それぞれに対応した選択肢を選ぶ必要があります。
この前提に立てば、保険では掛け捨て保険を選ぶことが最適解となります。
おわり
いかがだったでしょうか?
今回は保険料の内訳と保険についての概要を解説し、保険の選び方に関する考え方を書いていきました。
物事は分けて考えていかなければいけないということですね。
1つのものに複数のことを目当てにしたり、そもそも間違ったものを目当てにしていると、最終的には損をするということです。
それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。