20代リハビリ職のまじめな資産運用

20代リハビリ職で働く投資家です。 積立NISAでeMAXIS Slim 先進国株を積立中。企業型DCでも、先進国株に積立しています。

金融庁よりお達し 「国民よ、自分で備えよ」

 

 

 

「国が公助の限界を認め、自助を促していく」

5月22日に金融庁から「高齢社会における資産形成・管理」についての報告書が発表されました。

 

ニュース、新聞、ブログ、YouTuBe等で波紋呼んでいます。
「高齢化」「少子化」「年金給付額の減少」など以前から言われていたしいまさら感がありますが…

 

しかし、いざこのような報告書を見ると結構衝撃的です。
しかも国(金融庁)からの正式な報告書。

 

この報告書では、日本社会の現状と予測、そして対策が述べられています。
今回は現状と予測のところをメインで取り上げます。
対策は個々人によって変わってくると思うので、軽くで。

 

 

日本社会の現状と予測

①人口動態の変化

・長寿化と健康寿命

日本では年々平均寿命の延伸化が進んでおり男性は81.1歳、女性は87.3歳となっています。

 

平均寿命の延伸化にともなって健康寿命も同じ割合で延伸化しています。
平均寿命と健康寿命の差は2001年からほぼ変わらず、
男性では8.84年、女性では12.3年となっています。

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平均寿命と健康寿命

 

つまり72歳あたりから9〜12年は健康上の問題で日常生活に何らかの制限がある状態で生活しなければならない可能性が高いということです。
就労困難…    要介護…    などなど

 

 

・少子化

昔は若年者が多い「富士山型」の人口ピラミッドを形成していたのですが、現在は高齢者の方が多い「つぼ型」です。
このような人口動態予測はかなり精度が高いとされています。

 

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人口ピラミッド

 

 

②収入と支出

・収入と社会保険率の推移

日本の年齢別世帯収入を時系列に見ると、バブル期のピークから日本の平均収入は約60万円減少しています。
中央値で見るともっとひどいことになっているかもしれません…

 

バブル崩壊以降の収入減少傾向は2009年あたりで収まったものの回復は見られずほぼ横ばい
国は少子高齢化のことを考えるとこの傾向は変わらないとしています。

 

それに対して物価は対して変わっていません。
また社会保険料の負担額は年々増加してます。

 

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しかも将来の年金給付は実質的に低下していき、高齢夫婦無職世帯において年金のみでは月約5万円不足すると予想されています。
※夫は40年間会社員として働き厚生年金に加入、妻は20歳から専業主婦と仮定して計算

 

月5万円不足するということは、20年で約1300万円、30年で約2000万円を個人でなんとかしないといけないということです。
※特別な支出は含まない(老人ホーム費用や住宅改造費用など)

 

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これらに対して国は提案する対策は、「年金だけに頼るのではなく老後に備えて貯金・資産形成しなさい」と…
ちょっとそれは違うんじゃないかと思いたくなります。

 

ネットでも「年金を頼らず自助をと言うなら、年金徴収するのをやめてほしい」、「資産形成を促すなら、まず給料を増やすべき」などの声があげられています。

 

 

・退職金給付の状況

老後の生活を営む上で年金給付と退職金給付が一般的なベースとされていました。
しかし先ほども言ったように公的年金の水準は実質的に低下していくと見込まれています。

 

では退職金はどうなのか?
①退職金がある企業 の割合、②平均給付額の推移を見ていきましょう 。

 

退職金給付制度がある企業の全体の割合は徐々に低下しており、2018年で約80%
※企業規模が小さくなるにつれて低下

 

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定年退職時の退職金給付額の推移を見てみると、2017年では平均1700〜2000万円程度で、ピーク時の1997年より約3〜4割減です。

 

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しかし最近このようなニュースがありましたよね。

president.jp

 

退職金の減少やそもそも退職金を受け取れなくなる可能性が今後あるかもしれないということです。

 

つまり将来的に老後の生活を営む上でベースとされていた2つのものが減少していくことが見込まれています。

 

国が提案する対策

①ライフプランを検討しなさいよ

これまでの標準的なライフプランは今後ほとんどあてはまらない可能性が高いと言われています。
新卒入社⇒結婚・出産⇒住宅購入⇒定年⇒退職金と年金で老後生活

 

たしかにどれを見ても変化してきていますよね。
定年と退職金・年金は上でも書いたように。

 

新卒一括採用のような就活ルールは廃止すると経団連会長が発言されていましたね。
未婚率も年々増加しており、出生率は3年連続100万人を割っています。
「出生可能な人口減少」✕「出生率減少」=さらなる少子化

 

だって子供を育てられるだけのお金がないですもんね。
そうなると結婚するメリットにも疑問符がついて、実際に未婚率も増加しています。

 

報告書では「ライフスタイルの多様化」と聞こえのいいワードを使っていましたが「変わらざるを得ない状況になってきている」という方があっているような…

 

だから、どういうライフプランにするかを想定して、それに伴う収支や資産はどうなるかを早めに考えておきなさいよと国は提言しています。

 

②生活防衛資金は確保しておきなさいよ

報告書より、定年後の生活は平均して月5万円不足すると試算されています。
また、今後今までと同等の年金額受け取れることは難しく、公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性があると述べられています。

 

そのため生活防衛資金を確保しておきなさいと。
一概にいくら必要かは言えませんが、有名なのはウェルス・マネジメントの「生活費の2年分を生活防衛資金とする」です

 

たとえば、突然のリストラの場合、求人を探し始めてから新たな会社に入社するまで3〜6ヶ月要すると言われています。(リクルートエージェントより)

 

また、生活防衛資金はいざというときの備えることと同時に資産運用を長期的に行う上での精神的支柱になります。
生活防衛資金が足りなく運用中止や資産を取り崩すとなると意味がないですからね。

 

③その上で資産形成しなさいよ

有効とされているのが、
・長期投資:20〜30年あるいはそれ以上の長いスパン
・積立投資:収入ー支出ー生活防衛資金=余剰資金で毎月一定額を積立
・分散投資:種類、地域、時間を分散させてリスクを減らす

 

長期投資する上で重要なことは、
「自分のリスク許容度知ること」「運用商品の運用リスクを知ること」です。

 

リスク許容度は、年齢、収入、家族構成、性格などによって変化します。
「今は収入が少ないからあまりリスクを取らないでおこう」という人もいれば、
「まだ若くて独り身だから今のうちに挑戦してみようかな」という人もいます。

 

ちなみに、私は性格が最もリスク許容度に影響していると思っており、かつリスク許容度低め(=安定志向)です。
仮想通貨による失敗で自分のリスク許容度を知ることができました笑

 

 

積立投資で重要なことは、

まずは収入と支出を把握することからですね。
そこからどれだけ資産運用に回せるのかを知ること。
これもまた記事にします。

 

分散投資で重要なことは、 
種類(大まかには株式か債権か)
地域(国内か先進国か新興国か)
時間(一気に買うのではなく、毎月コツコツ=積立ですね)

 

  

おわり

いかがだったでしょうか?
日本社会の現状と予測をメインに、それらの対策は軽めに書きました。

 

これまでのことを簡単に言うと
「国民よ、自分で備えよ」とタイトル通りということですね。

 

ここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。