英国ISAから見たNISAについて
今回は、口座開設数1000万口座を突破しており今後も増加していくと予想されているNISA(一般・つみたて)について解説していきます。
ただ単にNISAについて解説していくのでは、他の方の記事と同様な内容の記事になってしまうため、NISAのモデルとなった英国ISAと比較しながら、現在や今後のNISAについて解説していきましょう。
それでは本題へ。
NISAとは?
NISA(Nippon Individual Saving Account)とは、少額投資非課税制度のことで家計金融資産の過半が預貯金であり、アメリカやヨーロッパと比べると金融資産にけるリスク資産の割合が低かった日本において安定的な資産形成を支援するために、2014年1月から導入されました。
投資で得られた利益は雑所得に分類され、利益に対して20%課税となります。
しかし、NISA口座における利益は非課税でそのまま利益として受け取れることができます。
ここが非常に魅力的なところです。
このNISAについてですが、実は英国ISAをモデルに創設されたのです。
英国ISAは1999年に開始されたのですが、その当時の英国は貯蓄率が低くこれを改善するために、株式の非課税制度であるPEPと非課税預金等のTESSAを整理・統合され創設されました。
最初は一般NISAのみだったのですが、現在ではジュニアNISAやつみたてNISAとタテ(対象年齢)にもヨコ(非課税期間)にも制度拡充が図られています。
平成30年12月時点では、一般・つみたてNISAの口座開設数は1253万口座となっています。(一般:1150万口座、つみたて:103万口座)
買い付け額は、15兆7000億円となっています。(一般:15兆6000億円、つみたて:1000億円)
英国ISAとNISAの違い
対象商品の違い
まずは対象商品の違いについて解説していきましょう。
英国ISAは、株式型ISAと預金型ISAの2種類があり、18歳以上の英国居住者は誰でも、1口座あるいは両方の2口座を持つことができます。
日本NISAでは、一般NISAかつみたてNISAのどちらかの口座を持つことができます。
非課税期間の違い
英国ISAは、「最低10年の予定で開始し、導入後7年経過した時点で制度の効果検証をし必要な措置をとる」としてISA制度が開始されました。
この公約通り英国財務省は2006年に効果検証し、低所得者層や若年層の利用が拡大していることを評価し、英国ISA制度は恒久化となりました。
NISAは、一般NISAが最大5年、つみたてNISAが最大20年の非課税期間となっています。
つみたてNISAでは、限度額・非課税期間ともに最大限活かしたとしても800万円までしか拠出することができません。
英国ISAで年間40万円(つみたてNISAと同じ設定)で、20歳〜80歳まで拠出したとすると、2400万円まで非課税で資産運用することができます。
※ 英国ISAの年間限度額は約296万円
また、2015年から英国ISAでは配偶者のみにISA口座の非課税での相続が認められました。
つまり、夫に先立たれてしまっても妻が夫のISA口座を非課税で引き継ぐことができるため、残された妻の経済的な支えとなるのです。
※ 子や孫へは適用されない
NISAと比較すると、英国ISAではタテ(対象年齢)にも、ヨコ(非課税期間)圧倒的な制度拡充が図られています。
投資限度額の考え方の違い
先ほども言ったように、英国ISAは年間限度額は約296万円、一般NISAは120万円、つみたてNISAは年間限度額40万円です。
拠出限度額に違いがあることは明らかです。
しかし、この拠出限度額に対する考え方にも違いがあります。
英国ISAでは、限度額は株式型ISA口座あるいは預金型ISA口座への「拠出額」で管理するため、購入していた商品を売却した場合、その売却代金は口座内で他の商品の購入代金に充てることができます。
つまり、ISA口座では運用商品の売買を繰り返しても、限度額にカウントされません。
NISAの場合、NISA口座で購入した商品を売却すると、その売却代金はNISA口座外に払い出されます。そのため、その売却代金をNISA口座で他の商品の購入代金に充てようとすると限度額にカウントされてしまいます。
つまり、NISA口座で売買を繰り返すと限度額にカウントされてしまうため、すぐに年間120万円の限度額に達してしまいます。
また、株式や投資信託の分配金についても限度額に対する考え方は同じです。
ここが英国ISAとNISAにおける、限度額に対する考え方の違いです。
普及状況の違い
英国ISAとNISAの普及状況の違いを見てみましょう。
NISAの口座開設は年々増加していますが、世帯数に対する割合から見るとまだまだ普及拡大を目指していかないといけないですね。
英国ISAの制度恒久化や限度額・限度額に対する考え方、口座の相続などを参考にして、NISAの制度拡充を図ってもらいたいですね。
金融庁では、現在NISAの恒久化に向けて取り組んでいるそうです。
英国ISAから考える、今後のNISAについて
今後のNISAについて、老後に備える自助努力の重要性を広く啓発していく必要があります。
その意味では、金融庁報告書の「老後2000万円不足」は老後資産形成の自助努力を促したと言えます。
じゃあどうやって資産形成していけばいいのか?
日本人の金融資産はほとんどが預貯金・保険等が占めている状況です。
つまり、日本人のマインドを貯金思考から投資思考へと変えていかなければなりません。
そのためには、報告書にも書かれていた長期・分散投資の重要性、非課税メリットを国民に周知してもらうよう国も努力する必要があります。
また、それらと同時並行でNISA制度の恒久化、売買自由化、非課税での相続などの利便性の向上も進めていくべきでしょう。
おわり
いかがだったでしょうか?
NISAの概要、モデルとなった英国ISAとNISAとを比較して違いや今後のNISAについて解説していきました。
今回の内容をまとめてみました。
皆さんも是非NISAに関心を持っていただき、老後の資産形成・運用に役立てていただければと思います。
ここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
税金の基本的なところ ―介護保険―
今回は社会保険の介護保険について解説していきます。
社会保険は、大きく3つ分けられます。
- 医療保険
- 年金保険
- 労働保険
- 介護保険
社会保険もついに最後ですね。
介護保険は納税が40歳以降からなので私のように20代、30代の方はまだ関係のないことですが、いずれは納税義務の時期が来ますので、今のうちから勉強しておきましょう。
それでは本題へ。
介護保険とは?
介護保険とは、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして、2000年から介護保険法の基づいて施行された社会保険の1つです。
仕組み
大まかな仕組みはこの図を見たほうが理解しやすいかと思います。
左上の財源のところを見ると、半分は介護保険料、半分は国庫負担(税金)で構成されていることが分かります。
介護保険を利用できる被保険者は大きく2種類に分けられます。
ここはさらっと流してもらって大丈夫です。
第1号被保険者は、65歳以上の方が対象で、管轄の市・区役所または地域包括支援センターから審査により要介護・要支援の認定を受けた場合に介護保険サービス利用が可能となります。
第2号被保険者は、40歳〜64歳の方が対象で、国が定めた16種類の特定疾病に該当する病気にかかっている場合に介護保険の適用を受けることができます。
いつから・いくら支払うか?
保険料の納税開始時期と納税額は気になるところなのではないでしょうか?
日本はかなりのスピードで高齢化社会が進んでいるため、介護を必要とする人が増加していることは想像しやすいかと思います。
という事は、介護保険の費用も高齢化とともに増加していっており、先ほどの図で見たように財源の半分は保険料であるため、保険料も年々増加しています。
介護保険給付に必要な総費用額は約20年で3倍近く増加していますね。
それに伴い、保険料は2倍近くに増加しています。
保険料の納税額でも第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40歳〜64歳)大きく2つに分けられます。
第1号被保険者の場合
第1号被保険者では、月額1万5000円以上(年間18万円以上)の年金を受給している場合は、介護保険料が自動的に天引き(特別徴収)されます。
年金受給額が年間18万円を満たない方は、納付書での振込や口座振替で支払うことになります。
保険料は、住民税の納税と合計所得金額によって10段階に分けられており、負担割合は0.375〜1.8%となっています。
年金の受給額が年々減少していく見込みのなかで、年金から引かれる介護保険料は年々増加していっています。
第2号被保険者の場合
第2被保険者では、健康保険(主に会社員)と国民健康保険(主に個人事業主)によって異なってきます。
健康保険では、介護保険料=(標準報酬月額+標準賞与額)✕ 保険料率となります。
算出された介護保険料から会社と折半した金額が給料から天引きされます。
保険料率は、健康保険とともに介護保険の徴収も一緒に行う協会けんぽあるいは組合けんぽによって変わってきます。
協会けんぽでは平成31年3月分から1.73%となっています。
協会けんぽの介護保険料率について | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
国民健康保険では、介護保険料=所得割+均等割+平等割となります。納税方法は健康保険加入者と違って、納付書や口座振替で支払います。
保険料率は、市区町村や特別区によって段階別に独自に設定されています。
ちなみに最近「介護保険料の計算ミス」のニュースがありましたので貼っておきます。
おわり
いかがだったでしょうか?
今回は社会保険の介護保険について解説していきました。
65歳以降も税金から天引きされるのはなかなか痛いですね。
最近金融庁の「老後2000万円不足」が話題でしたが、将来私達が年金を受け取る時期にはどれくらいの介護保険料になっているか想像するのが怖いですね笑
しかし、現実をしっかり捉えて今からできることやっていきましょう
それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
税金の基本的なところ ―労働保険―
今回も社会保険について解説していきます。
社会保険は、大きく3つ分けられます。
- 医療保険
- 年金保険
- 労働保険
- 介護保険
今回のテーマである3番目の労働保険について解説していきます。
労働保険は、働く人を守ってくれる保険制度です。
大まかな仕組みを勉強していきましょう。
労働保険とは?
労働保険とは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険とを総称したもので社会保険の1つになります。
労災保険とは、労働者が業務や通勤で、怪我・病気・死亡した場合に、被災労働者や遺族を保護するための保険制度です。
雇用保険とは、労働者が失業した場合、雇用の継続が困難となった場合に生活や雇用の安定、再就職を促進するために必要な給付をする保険制度です。
硬い定義についてはさらっと流してください笑
簡単にまとめると
労災保険 ⇒ 全労働者が加入(アルバイトやパートも含む)保険料・治療費の自己負担なし(全額事業主負担)
雇用保険 ⇒ 全労働者が対象(ただし、1周間の所定労働時間が20時間以上)保険料は労働者・事業主で折半
労働保険において、所得税、住民税、その他社会保険と大きく異なるところは所得ではなく事業の種類ごとに保険料率が算出されるところです。
実際に平成30年度の雇用保険料率を見てみましょう。
いかにも保険制度らしい保険料率の設定をしていますね。
労災・失業リスクの高い事業種には保険料率が高めに設定され、
労災・失業リスクの低い事業種には保険料率が低め設定されています。
ただ、労災保険の保険料率はそこまで高くないので、保険料率が高く設定されている事業種に該当しててもたかが知れてます。
労災保険とは?
労災保険とは、労働者が業務や通勤で、怪我・病気・死亡した場合に、被災労働者や遺族を保護するための保険制度です。
労災保険給付はこの4つからなります。
- 療養補償給付
- 休業補償給付
- 障害補償給付
- 遺族補償給付
- 葬祭料葬祭給付
療養補償給付、休業補償給付が多くの人に該当する可能性がありそうなので、この2つについて解説します。
療養補償給付
療養補償給付とは、業務や通勤による怪我・病気で治療するために要した治療費を手当で補償することです。
支給額は、治療に要した費用額です。
休業補償給付
休業補償とは、業務や通勤による怪我・病気で治療するために3日以上働くことができず、賃金が貰えない場合に手当が給付されます。
支給額は、休業4日目から休業1日につき給付基礎日額の60%相当額です。
たとえば、仕事で腰を痛めてしまって3日以上仕事ができない場合に休業補償給付を受け取れる例などが挙げられます。
腰痛に関しては、最近企業における従業員の健康経営が話題になっています。
この健康経営で注目されているのが肩こり・慢性腰痛の対策です。
良かったら調べてみてください。
雇用保険とは?
雇用保険とは、労働者が失業した場合、雇用の継続が困難となった場合に生活や雇用の安定、再就職を促進するために必要な給付をする保険制度です。
受給条件
雇用保険に加入していたことを大前提として2つの条件があります。
- 退職前の2年間で、雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上
※ 勤務日数が11日以上で1ヶ月とみなす
※ 倒産・解雇の場合は加入期間6ヶ月以上 - 失業状態である(働く意思や能力はあるが、就職できない状態)
※ 病気、出産、育児などは対象外
種類
雇用保険による給付には大きく4つあります。
- 基本手当(失業保険)
- 就職促進給付
- 教育訓練給付
- 雇用継続給付
基本手当(失業保険)をメインに、あとの3つはさらっと解説していきます。
基本手当(失業保険)
基本手当では、雇用保険の受給条件に加えて「会社都合が原因による退職」と「自己都合による退職」で受給内容が異なってきます。
会社都合による退職と判断された場合は、待機期間7日間を過ぎればすぐ失業給付金が90日間給付されます。
自己都合による退職と判断された場合は、待機期間7日間+給付制限期間3ヶ月を過ぎた後に失業給付金が90日間給付されます。
また、加入期間によって120日間、180日間と受給期間が長くなります。
支給額は、原則として退職前6ヶ月の賃金(ボーナス除く)の総額を180で割った「賃金日額」に50%〜80%掛けた金額が支給されます。
⇒ つまり、離職前の5割〜8割が支給額
もちろん、基本手当の支給額には上限額・下限額があります。
就職促進給付
再就職手当
基本手当の受給資格がある人が所定給付日数の1/3以上を残して、安定した職業に再就職した場合に支給される手当です。
手当の支給額は、「支給残日数 ✕ 給付率(60%〜70%)✕ 基本手当日額」 となります。
就業促進定着手当
再就職手当の支給を受けた人が、引き続きその再就職先に6ヶ月以上雇用され、再就職先の給料が離職前の給料より低い場合に支給される手当です。
手当の支給額は、
「(離職前の賃金日額 ー 再就職先の賃金日額)✕ 賃金支払いの基礎日数」
教育訓練給付
一般訓練給付
厚労省が指定する職業訓練を受けて支払った1年間の金額に対する手当です。
教育訓練費の20%が給付額となり、上限額は10万円です。
専門実践教育訓練給付
ここは割愛します笑
一般訓練給付、専門実践教育訓練給付ともに詳しくは、
教育訓練給付について|厚生労働省を参考にしてください。
雇用継続給付
- 高高齢者雇用継続給付、再就職給付
- 育児休業給付
- 介護休業給付
大きくこの3つがあります。
詳細は、雇用継続給付について|厚生労働省を参考にしてください。
おわり
いかがだったでしょうか?
今回の社会保険の労働保険について解説していきました。
毎月の給料から引かれる保険料はその他税金と比べて低いのであまり気にされている人は少ないのではないでしょうか?
しかし、会社またはアルバイト・パートで働く人を守ってくれる保険制度なのでもしものときに上手に利用できるよう勉強していても損はないと思います。
今回は、割愛した内容などもありますので、厚生労働省のHPリンクからご自身でも是非調べてみてください。
リーフレットで図などを用いて説明もしてくれています。
それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
税金の基本的なところ ―公的年金制度―
今回は、金融庁の報告書の「老後2000万円不足」でも話題になった公的年金制度について解説していきます。
年金は老後生活する上で経済的な根幹を為すものです。
自分が今支払っている保険料が将来どれくらい受け取れるかを知っておくことはライフプランを形成する上で欠かせないことだと思います。
そのためには、まず公的年金制度の概要を知っておく必要があるのではないでしょうか?
今から一緒に勉強していきましょう。
それでは本題へ。
公的年金制度とは?
公的年金制度は、加齢などによって働けなくなったり、お金を稼ぐ能力が低下してしまったときに備えるための社会保険制度の1つです。
社会保険は、大きく3つ分けられます。
- 医療保険
- 年金保険
- 労働保険
- 介護保険
今回は2番目の年金保険のところを解説していきます。
仕組み
日本の公的年金制度は、「2階建て」で構成されています。
1階部分 ⇒ 20歳以上60歳未満の国民全員が加入する国民年金(基礎年金)
2階部分 ⇒ 主に会社員・公務員が加入する厚生年金
参考:日本の公的年金は「2階建て」 | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省
ちなみに、日本の全体的な年金制度は3階建てで構成されており、3階部分は確定拠出年金等の私的年金になります。
過去の記事も参考にしてみてくだい。
日本の公的年金制度では、年金給付に必要は財源を現役世代が支払う仕組み
である賦課方式が採用されています。
この賦課方式には、メリット・デメリットの両方があり、メリットとしては、インフレリスクに強いことで、受給時点での円の価値を調整した金額を受け取ることができます。
デメリットとしては、人口減少の影響を受けやすく、日本のような少子高齢化が
進んでいる国では、将来的に年金受給額が減る可能性があるということです。
参考:日本の公的年金は「2階建て」 | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省
財源
公的年金制度の財源は、①保険料 ②国庫負担 ③積立金 の三本柱からなります。
①保険料は、
自営業者などの国民年金の第1号被保険者による国民年金保険料とサラリーマンなどの国民年金の第2号被保険者の労使折半による厚生年金保険料などからなります。
②国庫負担は、
消費税などの税金が形を変えて年金に充てられています。
平成16年度の年金制度改正で基礎年金国庫負担は2分の1に引き上げられました。
③積立金は、
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による年金積立金の運用で得られた収益です。平成29年度の運用実績は、収益額約10兆円(運用資産額約156兆円の+6.9%)となっています。
保険料の計算
国民年金と厚生年金を合計した保険料は給料の約18%と言われています。(半分は会社が負担)
国民年金 ⇒ 原則として全員同じ保険料(平成31年度時点で月額1万6410円)
国民年金の保険料は徐々に上がって現在の1万6410円となっています。
厚生年金 ⇒ 所得に応じて保険料は変化
健康保険の記事でも出てきた、標準報酬月額(4,5,6月の給与を基に計算)に保険料率を掛けて、算出された金額を健康保険の時と同様、保険料表に当てはめて、等級に応じて保険料が変わってきます。
いつから・いくら受け取れる?
実は、年金受給には3つの種類があります。
- 老齢年金:原則65歳から
- 障害年金:怪我や病気などで障害認定を受けた場合
- 遺族年金:生計維持関係にある被保険者が死亡した場合
年金を老後になってから受け取る「老齢年金」だけではなく、怪我や病気になった場合の「障害年金」や亡くなった遺族に対する「遺族年金」もあります。
ここは知らなかった人や誤解されていた人は多いんじゃないでしょうか?
この記事では、老齢年金について解説していきます。
老齢基礎年金
老齢基礎年金は「マクロ経済スライド方式」を採用しており、賃金や物価の変動に応じて受給額の調整を行っています。
20歳から60歳の40年間すべて保険料を納めていれば月額6万5000円の満額を受け取ることができます。(平成31年度時点)
老齢厚生年金
老齢厚生年金は、「報酬比例制度」により受給額が決定されます。
老齢厚生年金の保険料 ✕ 加入期間に応じて受給額が増減します。
つまり、加入期間が同じと仮定すると、収入が多い人は収入が少ない人よりその分保険料を多く納めているため、将来受け取れる年金額は多くなります。
個々人が将来の年金額を予測する上で、活用できるのがねんきん定期便です。
ねんきん定期便は、過去の納付した保険料に基づく年金額と将来納付する保険料に基づく年金額を合算すれば、将来受け取れる大まかな年金額がわかります。
平成29年度の国民平均は、14万4903円でした。
現在の受給世代は、女性は結婚後の専業主婦となる世帯が多いため、受給額の男女差が大きいです。
男性の平均受給月額 ⇒ 16万5668円
女性の平均受給月額 ⇒ 10万3026円
参考:平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省
老齢年金の繰り上げ・繰り下げ受給
老齢基礎年金、老齢厚生年金ともに、受給開始時期は原則として65歳からです。
しかし、受給開始時期を最大60歳に早めたり(繰り上げ)、最大70歳まで遅くしたり(繰り下げ)して年金を受給することが可能です。
繰り上げた場合は、繰り上げた月数 ✕ 0. 5%が減額され、
繰り下げた場合は、繰り下げた月数 ✕ 0. 7%が増額されます。
公的年金とはどんな制度?老齢・障害・遺族年金を徹底解説!|楽天生命保険
メリット
公的年金制度のメリットについて簡単にまとめてみました
- インフレに強い
- 第2号被保険者は厚生年金を会社が半分負担
- 年金財源は国が税金で補填している
- 年金給付は老後だけではない
- 保険料は所得控除対象
デメリット
公的年金制度のデメリットについて簡単にまとめてみました。
- 今後給付額は減少していく見込み
- 公的年金だけでは老後生活する上でもちろん足りない
おわり
いかがだったでしょうか?
個人的にはなかなか内容の濃い記事になった気がします。
できるだけ公的年金制度の概要を伝えるために、それぞれ大まかに解説していきました。
アドバイス、ご意見等あればコメントいただければありがたいです。
それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
税金の基本的なところ ―医療保険―
所得税・住民税よりも、税金負担が大きいのが社会保険料です。
高齢化社会が進むとともに、国が必要とする社会保障費も年々増加しています。
平成30年度では、国家予算の33.7%(33兆円)です。
国が必要とする社会保障費が増加していっていると言うことは、もちろん個々人の社会保険料も増加していってます。
社会保険とは、国民の生活を保障するために、病気や介護・労働災害などのリスクに備えて、社会全体で事前に保険料を出し合う保険制度です。
社会保険は、大きく3つ分けられます。
- 医療保険
- 年金保険
- 労働保険
- 介護保険
最初は3つまとめて書こうと思っていたのですが、勉強しているとそれぞれがなかなかボリューミーでした笑
なので、今回は医療保険のところについて解説していきます。
医療保険とは?
医療保険は、さらに2つに分けられます。
「種類」「違い」「保険料」の3つに分けて解説していきます。
種類
日本では国民皆保険制度を採用しているので、職種によりますが必ずどちらかの医療保険に加入しています。
- 健康保険
- 国民健康保険
健康保険は、主に会社員の方が加入する医療保険です。
保険者は、中小企業に多い「協会けんぽ」と大企業が独自で設立する「組合けんぽ」の2種類です。
被保険者証を見ればどちらの保険者か書いてあります。
国民健康保険(通称こくほ)は、主に個人事業主や会社を退職した方が加入する医療保険です。
保険者は、市区町村などの地方自治体です。
違い
扶養制度の有無
これは健康保険と国民健康保険において大きな違いです。
健康保険では、親族や配偶者を扶養に入れることができ、扶養に入った親族や配偶者は保険料を支払わず健康保険を利用することができます。
※所得税の扶養制度の仕組みと間違えないように注意!
しかし、国民健康保険では、親族や配偶者を扶養に入れることができません。
つまり、扶養に入れない親族や配偶者は個人で健康保険に加入し、保険料を支払わなければなりません。
保険者
保険者は、さきほども言ったように、健康保険であれば「協会けんぽ」あるいは「組合けんぽ」が保険者となります。
国民健康保険では、「市区町村」が保険者となります。
保険者が違うことで、保険料の計算方法が変わってきます。
これは次のところで解説します。
保険料の計算方法
健康保険は「標準報酬月額(4,5,6月の収入)✕ 保険料率」で計算します。
算出された保険料は、その年の9月から翌年8月まで適用されます。
また、保険料率は都道府県によって保険料率の調整がされています。
※ 賞与に係る社会保険料は別の方法で計算し、保険料を算出します。
詳しくは、標準報酬月額・標準賞与額 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
国民健康保険は、「前年度の収入」と「世帯数」をもとに保険料を計算します。
「所得割」+「均等割」+「平等割」で保険料が算出されます。
また、国民健康保険は保険者が市区町村であり、各自治体によって保険料率が異なってきます。
詳しくは、国民健康保険|国保の計算方法
計算式をただ示されても分かりにくいかと思います笑
健康保険料は、ざっくり給料の10%で会社が半分負担してくれます。
国民健康保険料は、経費によって所得が変わってくるため人によります。
上でも言いましたが、健康保険には扶養制度があるます。
そのため、国民健康保険と比較して扶養人数が多いほど世帯全体で考えたときの負担額は軽減されるメリットがあります。
利用できる制度
社会保険における医療保険(公的医療保険制度)で利用できる制度をいくつかピックアップしてみました。
- 高額療養費制度:詳細は後ほど
- 出産育児一時金:1児につき42万円支給
- 傷病手当金:働いていた給料の約2/3を支給
- 出産手当金:働いていた給料の約2/3を支給
健康保険と国民健康保険の違いについては図を見てみましょう。
高額療養費制度
病院で診察などを受けた際、窓口ではだいたいの人は3割負担の医療費を支払われると思います。
しかし、ある上限を超える医療費に関しては3割負担ではなく、1%負担で済みます。これが、高額療養費制度です。
病院で働いていると感じますが、この制度を知らない人が意外と多いんです。
高額療養費制度が適用となるのは、保険診療の医療費のみです。
保険外診療はもちろんのこと、入院中の食費・雑費、個室希望などの差額ベッド代は適用外となります。
「ある上限」とは、所得に応じて適用区分が変わります。
分かりやすい図があったのでこれを参考にしてください。
また、世帯の中で合算することもできます。
ここも解説すると話が深くなりすぎると思いますのでここまでにしておきます。
その他の詳細は上のリンクを参考にしてみてください。
また、一年間の医療費が10万円以上であれば、医療費控除という節税をすることが可能な手段がありますのでいずれか記事にしたいと思います。
おわり
いかがだったでしょうか?
なかなかボリューミーでしたよね笑
高額療養費制度などは知らなかった人も多いんじゃないでしょうか?
今後も増え続けていくと予想されている社会保険料ですが、まずは何なのかを勉強しておく必要があると思います。
私も社会のことを日々勉強中なので、一緒に頑張りましょう。
それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
税金の基本的なとろこ ―住民税について―
前回の所得税に引き続いて、住民税について解説していきます。
まず、住民税と所得税の大きな違いは支払い方式です。
住民税は現在の給与をもとに計算し来年に支払う後払い方式、
所得税は給与が自分の手に渡る前に差し引かれる先払い方式です。
つまり新社会人の方であれば、1年目に所得税は課税所得から引かれますが、住民税は引かれません。
しかし、2年目の6月以降からは所得税・住民税ともに課税所得から差し引かれます。
よく耳にする、社会人2年目より1年目の方がお金が貯めやすいと言われるのは住民税の納税開始時期が関係しているのです。
それでは本題へ。
住民税とは?
前回の繰り返しになりますが、税金には「国税」と「地方税」があります。
今回の住民税は「地方税」に該当します。
管轄は各都道府県・市町村(総務省)になります。
住民税は、さらに「都道府県税」と「市町村税」に分けられます。
都道府県税は一律4%、市町村税は一律6%の合計10%が所得割額となります。
所得割額についてはあとで解説します。
所得税との違い
課税方式は賦課課税方式を採用しています。
つまり、前年の所得をベースに翌年の納税額が決定されます。
ここが所得税との大きな違いです。
税率がかけられる対象は所得税と同様に課税所得に対して課税されます。
住民税での各種所得控除は所得税と控除額が異なります。
所得税では、基礎控除・扶養控除・配偶者控除はそれぞれ38万円ですが、住民税では、それぞれ33万円になります。
住民税の方が控除額が低い=課税所得増加=納税額増加ということになります。
良ければ所得税の方も参考にしてください。
計算方法
住民税は、「所得割額」と「均等割額」を合計したものが納税額となります。
所得割額はさきほど解説しましたが、課税所得に対して税率10%課税され、地域差はほぼありません。
しかし、均等割額はその名の通り条例で定められた一定の所得がある人に対して、所得の多い少ないに関係なく均一に課税されます。
かつ、地域によって均等割額は違います。
<平成26年版の住民税>
横浜市は横浜ブランドを持っているだけあって、川崎市と並んで堂々の第1位です。
このように均等割額は地域によって1年に支払う住民税が違ってきます。
ちなみに、平成26年度から令和5年度までの間は、地方自治体の防災財源確保のために、臨時措置として個人住民税の均等割の税率が引き上げられています。
およそ年額1000円引き上げの年額5000円の住民税となる。
図で見ると概要を理解しやすいです。
参考:3 「所得税」を知ろう---もっと知りたい税のこと 平成30年6月 : 財務省
納付先
所得税は、国税のため日本国内のどこに移り住もうと税金の納付先は同じです。
しかし、住民税は市区町村へ税金を納めるため、移り始めた時期で納付先は変わります。
1月1日現在に住所を有する都道府県および市区町村へ住民税を納税します。
たとえば、1月1日に東京に住んでいて、転勤などで名古屋に引っ越した場合はその年は東京の市区町村に住民税を納めます。
住民税の非課税対象は?
住民税が非課税になるパターンは2つあります。
1.所得割も均等割も非課税
- 生活保護法による生活扶助を受けている人
- 障害者、未成年者、寡婦または寡夫で、前年の合計所得金額が125万円以下の人
- 35万円 ✕ (控除対象配偶者・扶養親族の合計数+1)+21万円以下の人
- 上記以外で合計所得金額が35万以下の人
2.所得割が非課税
- 35万円 ✕ (控除対象配偶者・扶養親族の合計数+1)+32万円以下の人
- 上記以外で総所得金額が35万円以下の人
※ 所得割や均等割の非課税の基準は、各市町村によって違いますので注意。
住民税シミュレーション(横浜市)
折角なので住民税1位の横浜市で計算してみましょう。
<独身年収400万円>
・給与所得控除134万円+社会保険料控除56.9万円+基礎控除33万円
=住民税控除224万円
・年収400万円 ー 住民税控除224万円=課税所得176万円
・所得割:課税所得176万円 ✕ 10.025% = 17万6440円
均等割:6200円 ー 調整控除2500円 = 3700円
・所得割 + 均等割 = 住民税18万円
ちなみに、住民税ランキングで一番安い名古屋市で独身年収400万円と同じ設定で計算した結果は、住民税17.4万円でした。
約6000円/年の差で出ました。
おわり
いかがだったでしょうか?
所得税より複雑で地域差をあるため、勉強してて自分自身は少しわかりにくかった印象です。
しかし、できるだけ理解しやすいように図多めで文章少なめで記事を書いてみました。
さきほども言ったように、住民税は住んでいる都道府県・市区町村によって納税額もかわってくるので、一度ご自身の住んでいる都道府県・市区町村のホームページで確認してみてください。
ここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
税金の基本的なところ −所得税について−
新社会人になって学生時代では考えられない額を初任給として貰えて「何買おうかな」「給料サイコー」となったと同時に、引かれる税金の額に驚いた人も多いんじゃないでしょうか?
今回は所得税について話をしていきます。
所得税は会社員は会社が給与から勝手に天引きしてくれます。
「会社が勝手にやってくれるし、まあいいか〜」言って、税金を勉強しなくていいという話にはなりません。
たしかに、税金の勉強をしたからといって会社員は自営業者等と比べて節税方法は限られてきます。
しかし、限られた節税方法でいかに節税できるかを模索するためにまずは税金の基本的なところを勉強していきましょう。
所得税とは?
まず税金には、「国税」と「地方税」があります。
所得税は、「国税」の方に該当し、その名の通り国に税金を納めます。
管轄は税務署(財務省)になります。
所得税は、簡単に言うと個人の1年間の課税所得に対してかかる税金です。
「所得」と「課税所得」はまた別なので、詳細なことは後で解説します。
所得税の税率には、課税所得の金額が大きくなればなるほど、税率も高くなる累進課税制度が適用されています。
また、平成25年分からは所得税の他に東日本大震災による復興特別所得税(税率:2.1%)が一緒に差し引かれています。
国税庁のリンクを貼っていますので参考にしてください。
ちなみに、多くの会社員の方が貰っているであろう通勤手当は原則として所得税の非課税です。
つまり貰った金額はそのままの金額分使えるこということです。
※税法では、1ヶ月あたりの15万円実費相当額までの通勤手当が非課税対象
住宅手当・家族手当・地域手当等は課税対象となるので間違いのないように。
所得の種類
一言に所得と言っても、所得税法上では所得の発生する形によって10種類に分けられます。
今回解説する所得税は基本的に給与所得に関するところです。
利子所得 | 預貯金や公社債の利子などの所得 |
---|---|
配当所得 | 株式・投資信託などの配当に係る所得 |
不動産所得 | 家賃・土地代などの所得 |
事業所得 | 不動産や山林の譲渡以外の事業から発生する所得 |
給与所得 | 勤務先から受ける給与、賞与などの所得 |
退職所得 | 退職手当や退職一時金などの所得 |
山林所得 | 山林を譲渡した際に発生する所得 |
譲渡所得 | 土地、建物などを譲渡した際に発生する所得 |
一時所得 | 賞金、生命保険一時金、競馬などの払戻金 |
雑所得 | 公的年金等や上記以外の所得 |
所得税の計算方法
大まかな流れは次の図のようになります。
先ほども書きましたが、所得税は累進課税制度を適用しています。
現在は、最低税率が課税所得195万円以下では5%、最高税率は課税所得4000万円以上では45%です。
所得税率(速算用) | ||
---|---|---|
課税所得 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
196万円〜330万円 | 10% | 9万7500円 |
331万円〜695万円 | 20% | 42万7500円 |
696万円〜900万円 | 23% | 63万6000円 |
991万円〜1800万円 | 33% | 153万6000円 |
1801万円〜4000万円 | 40% | 279万6000円 |
4001万円〜 | 45% | 479万6000円 |
最高税率ではほぼ半分が税金で引かれるということになりますね笑
しかし図からも分かるように、年収が多いから払う税金も多いとは限りません。
給与収入から給与所得控除・所得控除を差し引いた課税所得に対して税金が課せられます。
ちなみに年収とは「給与収入」意味し、課税所得とは違います。
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 |
---|---|
180万円以下 | 収入金額✕40%(65万未満は65万円) |
181万円〜360万円 | 収入金額✕30%+18万円 |
361万円〜660万円 | 収入金額✕20%+54万円 |
661万円〜1000万円 | 収入金額✕10%+120万円 |
1001万円〜 | 220万円(上限) |
所得税シュミレーション
<一人暮らし年収400万円の人の場合>
- 給与所得控除額の計算(収入金額✕20%+54万円)
400万円✕20%+54万円=134万円 - 課税所得の計算(給与所得 ー 給与所得控除)
400万円 ー 134万円=266万円 - 各種控除を差し引く(基礎控除38万円、社会保険料控除57.6万円)
266万円 ー 38万円 ー 57.6万円=170.4万円 - 所得税の税率を適用(税率5%)
170.4万円✕5%=8万5200円(7100円/月)
ざっくり計算してみました。
新たに出てきた「基礎控除」と「社会保険料控除」ですが、基礎控除は、一律38万円で適用され所得控除されます。
社会保険料控除は、自分自身や扶養家族の社会保険料(国民年金、国民健康保険など)を支払った分が所得控除されます。
さらに、ふるさと納税をした金額は「寄附金控除」、iDeCoで拠出した金額は「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除されます。
計算サイトなどもあるので、ご自身でどれだけの税金が課せられているか是非計算してみてください。
源泉徴収票(給与所得) - 高精度計算サイト
おわり
いかがだったでしょうか?
所得税の仕組みについて解説していきました。
私自身は初任給のときに引かれた税金の額に驚いた一人です。
それがきっかけで税金の勉強を少ししました。
もし間違っているところがあれば指摘していただければ幸いです。
ここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
あなたの会社はどちらの企業年金ですか? −確定給付年金と確定拠出年金について−
あなたの会社はどちらの企業年金を採用していますか?
ちなみに、企業年金には、「確定給付年金」「確定拠出年金」「厚生年金基金」の3つがあります。
厚生年金基金は平成26年以降に新規設立ができなくなったため、今回の記事では扱いません。
なので「確定給付年金」「確定拠出年金」について話を進めていきましょう。
簡単に言うと、
「確定給付年金」は、将来の給付額が確定しているものです。
「確定拠出年金」は、毎月の拠出額(掛け金)が確定しているものです。
では詳しくは本題へ。
まずは年金制度をおさらい
まずは日本の年金制度をおさらいしましょう。
年金制度は3階建て構造で構成されています。
分かりやすいようにイラストを使って説明します。
引用:https://www.toushin.or.jp/dc_contents/outline/
国民年金(1階)と厚生年金(2階)が公的年金と呼ばれるものです。
そして確定給付年金や確定拠出年金などの私的年金(3階)で構成されています。
今回は、私的年金の中の企業年金のところの話です。
確定給付年金とは?
確定給付年金とは、従業員が将来受け取る給付額が確定している企業年金制度です。
2018年3月末時点では加入者数940万人で、日本で最も多く利用されている企業年金になります。
概要として、企業が拠出⇒運用⇒管理⇒給付をすべて行います。
したがって、運用で失敗した場合は会社が責任を負い、将来の給付額に不足が出た場合は会社が補填します。
確定給付年金には、大きく2つのタイプがあります。
- 規約型
企業内で決めた企業年金に関する規約に基づいて拠出し、外部の信託銀行や生命保険会社が年金資産を運用・管理・給付まで行います。
- 基金型
企業外部に企業年金基金を法人として設立し、会社から独立した立場で年金資産の拠出から給付まで行います。
メリット
- 年金給付額がある程度保証されているため、老後のライフプランの設計を立てやすい
- 自分で年金資産の運用をしないで済む
- 万が一(倒産など)の場合でも、受給を保証する法律がある
デメリット
- 予定されていた給付額よりも減額される可能性がある
- 損失補填の負担が大きい場合は、給料に影響する可能性がある
- 退職理由により、受給額が変動するリスクがある
確定拠出年金とは?
確定拠出年金とは、毎月の掛け金が確定している企業年金です。
2018年3月時点で、加入者数690万人となっています。
概要として、企業は拠出と給付、従業員が運用・管理を行います。
※マッチング拠出では従業員も拠出する場合あり
つまり、将来受け取れる給付額は個人の運用成績次第となります。
詳しくは過去の記事を参考にしてみてください。
メリット
- 運用成績次第では年金資産の増額が可能
- 資産残高をいつでも確認できる
- 万が一(倒産など)の場合でも、資産は100%保全される
- 転職しても転職先の企業年金口座または個人年金口座へ移換可能
デメリット
- 運用成績次第で積立金額(元本)を下回る可能性も
- 60歳時点での給付額が見込みでしか予想できない
- 原則60歳まで資金拘束
- 数多くある運用商品の中から選ばなければならない
企業で確定給付年金から確定拠出年金への移行が相次ぐ
現在、確定給付年金から確定拠出年金への移行が相次いでいます。
ソニーは、確定給付年金、確定拠出年金、退職一時金の3制度を採用していましたが、完全に確定拠出年金へ移行したそうです。
また、2018年10月24日の日本経済新聞によれば、厚生労働省の就労条件総合調査において、確定拠出年金の採用割合が初めて5割を上回ったとされています。
確定拠出年金化が進んでいる理由としては、確定給付年金は、企業にとって運用成績次第では大きな「債務」となり得るからです。
景気が悪化した場合、企業業績も悪化し、決算発表後に株価は下落する可能性が高いです。
また景気悪化が影響して、確定給付年金の運用成績は引きづられるように悪化するでしょう。
そうなれば企業は損失補填をしなければなりません。
そして、損失補填のため企業業績は更に悪化、決算発表、株価下落…
景気悪化⇒企業業績悪化⇒決算発表⇒株価下落⇒運用資産悪化・損失補填⇒決算発表⇒さらに株価下落
確定給付年金はこのような負のスパイラルを生む可能性があります。
確定拠出年金にすれば、運営するのは企業ですが、運用結果は従業員ひとりひとりの責任となるため、会社の債務とはなりません。
これらの理由から、確定拠出年金化へと大きく変化しているところです。
おわり
いかがだったでしょうか?
今回は企業年金の確定給付年金と確定拠出年金について書いていきました。
各企業が確定給付年金から確定拠出年金の採用へと進んでいっています。
確定拠出年金では、将来受け取れる給付額は従業員ひとりひとりの責任で増えたりも減ったりもします
また、確定拠出年金は老後資産で中核となる存在です。
つまり、老後のお金は自己責任で備えなさいといことなんです。
この前の金融庁の報告書でもそうですが、色んなところで自助努力が求められる時代になってきています。
国に、誰かに頼ってばかりではだめなんです。
個々人がマネーリテラシー・インテリジェンスを身に付けるために日々お金の勉強はしていきましょう。
それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の統計資料について
今回は企業型DCの統計資料に引き続き、個人型確定拠出年金(iDeCo) の統計資料について解説していきます。
今回もデータは主に運営管理機関連絡協議会の資料を用いています。
iDeCoも年々加入者数が増加しています。
企業型DC以上に多い投資先からどの商品を選んでいるのでしょうか?
企業型DCとだいたいは同じ傾向ですが、1つだけ面白い結果が出ていました。
それでは見ていきましょう。
加入者数の推移
まず加入者数の推移を見ていきましょう。
2017年から2018年にかけての伸び率が驚異的です。
ほぼ倍増に近いくらい。
企業型DCとは違った伸び方をしています。
2018年8月では加入者数100万人を突破したそうです。
この増加率に最も寄与しているのが「第2号被保険者」です。
また、加入率が最も高いのが「公務員」となっています。
加入者数は100万人したものの加入率を見るとまだ5%未満です。
まだ国民の一部しか利用していない状況です。
しかし、これから加入者数はまだまだ増えていきそうですね。
加入者の内訳
加入者の年代別内訳です。
40歳代が全体の40%を占めており最も多いです。
対して20歳代の割合が全体の5%と低くなっています。
つみたてNISAは20歳代〜40歳代の口座開設が多く、iDeCoでは40歳代の利用が増えています。
今後は20歳代〜30歳代の利用増加を促す必要があるでしょう。
運用商品の選択状況
運用商品の選択状況です。
企業型DCと比較して預貯金・保険の元本保証型が半分以上の60%を占めています。
iDeCoは開設作業が面倒なので、ある程度資産運用の勉強をした人の割合が多く、もう少し預貯金・保険の割合が低くなると予想していましたが、反対に企業型DCより占める割合が大きくなっていました。
iDeCoでは、企業型DCのように企業担当者が説明してくれる機会などもちろんなく口座開設から運用まですべて自分でしなければいけません。
また、最初に2777円+167円/月の運用コストがかかってきます。
掛け金に対する運用コストを計算してみました。
iDecoで、
月1万円拠出する場合 ⇒ 月167円のコスト = 1.67%の運用コスト
月2万円拠出する場合 ⇒ 月167円のコスト = 0.835%の運用コスト
毎月これだけの運用コストがかかるなら、元本変動型でコツコツ資産を増やしていかないともったいない気がします。
年代別商品選択状況
年代別運用商品の選択状況です。
企業型DCと比較して、若い世代で外国株式の割合が多いですね。
反対に国内株式の割合は少なくなりました。
企業型DCのと同様に、どの年代でも預貯金・保険の元本保証型が半分以上を占めています。
iDeCoでは、企業型DCの運用商品と比較して、信託報酬手数料が格安の商品がラインナップされているのでもっと株式の比率が増えて欲しいところです。
同じベンチマークとする商品をSBI証券と企業型DCで比較してみましょう。
- eMAXISSlim 先進国株式インデックス ⇒ 0.11772%以内
- DC外国株式インデックス・オープン ⇒ 0.8640%
どちらもMSCIコクサイをベンチマークとするインデックスファンドです。
なので運用成績はほぼ一緒になりますが、運用コストは企業型DCの方が約7倍多く支払わないといけません。
iDeCoでは優良投資信託商品を多く扱っていますので、特に若い人はリスクを取って、株式への投資比率を上げていってほしいところです。
パッシブファンドか?アクティブファンドか?
投資信託等のパッシブファンド・アクティブファンドの比率です。
見て分かるのが、年齢が上がっていくほどアクティブファンドの割合が多くなっています。
バランス型では60歳以上の63%がアクティブファンドを選択しています。
これは面白いというか衝撃的な結果ですね。
ちなみに、インデックスファンドは市場平均の運用成績を目指すファンドです。
アクティブファンドは市場平均以上の運用成績を目指すファンドです。
つまり、アクティブファンドは平均以上の儲けを出せる可能性がありますが、代わりにインデックスファンドより運用コストが高くなります。
同じベンチマークとする商品をインデックスファンドとアクティブファンドで比較してみましょう。
- eMAXISSlim 先進国株式インデックス ⇒ 0.11772%以内
- ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け)⇒ 1.4364%
どちらもMSCIコクサイをベンチマークとするファンドです。
しかし、運用コストに約12倍の差があります。
もちろん、投資成績は市場平均を目指すものと市場平均以上を目指すものなのでまったく同じとはなりません。
ですが実際には、アクティブファンドの70%〜80%はインデックスファンドに負けているというデータがあります。
大手投信評価会社であるモーニングスターの調査によると、国内株式クラスのアクティブファンドのインデックスファンドに対する勝率は1年で26%、3年で33%、5年で39%、10年で39%です。
アクティブファンドがインデックスファンドに負けてしまう一番の理由は、アクティブファンドの運用コストが高いことです。
アクティブファンドを選択する人の心理としては、一発逆転を狙っていくというものでしょう。
しかし、現実にはアクティブファンドの方が負けてしまう確率が高いのです。
投資教育が為されていない結果でしょう。
皆さんも運用コストには十分に気をつけてください。
おわり
いかがだったでしょうか?
今回は前回の企業型DCに引き続き、iDeCoの統計資料をもとに記事を書いていきました。
企業型DCとiDeCoともに預貯金・保険の元本保証型商品を選択する人が多いという結果になっていました。
所得税・住民税を節税できるのは、節税手段が限られている会社員にとっては非常に大きなメリットです。
しかし、本当の目的はそこではなく、自分に合った運用商品を選択して老後に向けてコツコツ資産形成をしていくことが本当の目的ではないでしょうか?
貯金・保険では元本は減らないですが、資産は増えていきません。
いま一度、ご自身の運用商品を考え直してみてください。
ここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
企業型確定拠出年金の統計資料について
今回は企業型確定拠出年金(企業型DC)の統計資料を見ていきましょう。
データはすべて運営管理機関連絡協議会の資料を用いています。
年々増加していると言われている確定拠出年金の人口。
では実際に加入者の年代割合やどんな商品を選択しているのでしょうか?
残念ながら、確定拠出年金でも預貯金・保険などの元本保証型を選択している人
が全体の50%以上を占めています。
国は日本人の投資意識改革として確定拠出年金の普及拡大を目指していますが、
あまり効果が出ていないようです。
では本題へ参りましょう。
加入者数の推移
まずは企業型DCの加入者数推移を見ていきましょう。
導入事業所は年々増加しており、それに伴って従業員の加入者数も右肩上がりに
伸びていっていますね。
2018年の総務省による労働力調査では、就業者は6664万人
(男性3717万人、女性2946万人)となっています。
その中でも、正規職員・従業員は3485万人、非正規職員・従業員は2120
万人となっています。
つまり、正規職員・従業員の約20%は企業型DCに加入しているという計算
になります。
もちろん、企業型DCを導入していない企業もあるので絶対的な数字ではありません。
加入者の内訳
年代別の加入者内訳資料です。
40歳代の加入者が最も多くなっており、全体の約33%を占めています。
20歳代は全体の約17%。
人口動態から、20歳代より30歳代、30歳代より40歳代の方が多いので
一概にどの年代に加入者が多いとは言い切れません。
ちなみに、男女別割合は男性8割、女性2割で推移しています。
運用商品の選択状況
全年代の運用商品の選択状況です。
グラフからも分かるように、預貯金・保険の元本保証型商品が
半分以上を占めています。
これは企業担当者も個々人も、説明すること・考えることを放棄していると
捉えられても致し方ないですね。
私の会社の確定拠出年金に関する説明会では、
「分からなければ元本保証型を選んでください」とだけ説明されました。
皆さんの会社でもそう言われた方は多いんじゃないでしょうか?
損失が出たときに責任を負わされるのが嫌だというのは分かりますが、
企業担当者は、もう少し投資教育をしっかりするべきです。
また、個々人もこれを機に金融リテラシーを身に付ける努力するべきです。
折角、運用益が非課税になるのですから、その利点を生かして運用するべきだと
思います。
貯金・保険は確定拠出年金以外でやればいい話です。
これでは確定拠出年金が普及拡大したところで、日本人の投資意識改革は全く
為されません。
もう少し外国株式や債権の比率が上がってきてほしいところです。
年代別運用商品の選択状況
年代別運用商品の選択状況です。
20歳代の商品選択状況では、預貯金・保険が約60%を占めています。
20歳代ならもっとリスクを取って、株式比率100%あるいは他の商品よりも株式比率が高い選択にするべきです。
そこから年を重ねるごとに株式比率を下げて、債権などの低リスク商品の比率を上げて運用リスクを調整いけばいいと思います。
また、マッチング拠出をしている人であれば毎月の掛け金は60歳まで資金縛り
されます。
そのデメリットを飲んでまでマッチング拠出をするのであれば、
預貯金を選ぶのはおすすめできません。
それなら、いつでも資金を引き出せる銀行などで預貯金をするべきです。
いくら掛け金が所得税・住民税の節税になろうとも。
パッシブファンドか?アクティブファンドか?
投資信託等のパッシブ・アクティブ比率です。
国内株式のみパッシブ・アクティブの割合が五分五分になっていることが
驚きです。
アクティブファンドとは、インデックス(株価指数)を上回ることを目指して
運用を行うファンドです。
しかし実際には、アクティブファンドの70%〜80%はインデックスファンド
に負けているというデータがあります。
大手投信評価会社であるモーニングスターの調査によると、
国内株式クラスのアクティブファンドのインデックスファンドに対する勝率は
1年で26%、3年で33%、5年で39%、10年で39%です。
アクティブファンドがインデックスファンドに負けてしまう一番の理由は、
アクティブファンドの運用コストが高いことです。
損保ジャパンDCの同じベンチマークとする商品で比較してみましょう。
・インデックスファンドTOPIX(パッシブ) ⇒ 信託報酬 0.6696%
・損保ジャパン日本株ファンド(アクティブ) ⇒ 信託報酬 1.512%
どちらも同じベンチマークを設定していますが、運用コストは2倍以上の差です。
国内株式のアクティブファンドを選んでいる5割の方はこの事実を知っていて
いるのでしょうか?
おそらく、このことを知らずにアクティブファンドの方が平均以上を目指して
くれるから儲かりそうと思って、選択していそうですね。
皆さんも運用コストには特に注意して運用商品の選択をしてください。
おわり
今回は企業型DCのの統計資料をもとに記事を書いていきました。
いかがだったでしょうか?
全体の50%以上が預貯金・保険などの元本保証型を選択しているという
状況から分かるように、日本人は投資に対して消極的ですね。
日本人の投資意識改革がもっと進むように、企業担当者・個々人の努力が
必要になってきます。
今後老後は国に面倒を見てもらうのではなく、個人でどうにかしていく
という流れが強くなっていくでしょう。
ここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任。
個人型確定拠出年金(iDeCo)で資産形成+節税!
企業型確定拠出年金(企業型DC)に引き続き、個人型確定拠出年金(iDeCo)について解説していきます。
もともとは自営業者向けの個人年金で始まったものですが、今ではその適用範囲は幅広いです。
国が日本人の投資意識改革として普及拡大を推し進めているiDeCoですが実際はどのようなものでしょうか?
iDeCoの概要、メリット・デメリットを解説し、実際のシュミレーション結果でどれくらいの節税効果と資産形成ができるのかを見ていきましょう。
個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?
iDeCoとは、平成13年に施行された確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金制度のことです。
企業型DCの記事でも解説していますが、年金制度の3階部分にあたるところです。
良かったら参考にしてみてください。
iDeCoには、加入条件がいくつかあります。
・原則として20歳以上〜60歳未満の方
・企業型DCのみを導入している会社に勤務している場合は企業の年金規約による
・企業型DC+マッチング拠出制度を導入している会社に勤務している場合は不可
簡単に加入条件を挙げてみました。
ネットで「iDeCo 加入条件」と調べてみると、加入資格診断をしてくれます。
拠出限度額は個人によって変わってくる?
拠出額は第1号、第2号、第3号被保険者によって拠出限度額が違います。
また、第2号被保険者の中でも変わってきます。
あとは、ふるさと納税を利用している人はふるさと納税の限度額が変わってくるので注意が必要です。
自己負担額2000円以上払ってしまわないように。
さて本題の拠出限度額について解説していきます。
イデコってなに|イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会
この図を見れば自分が該当するところが分かるのではないでしょうか?
そもそも自分の会社が企業型DCをしているか分からない人は、会社の就業規則を見てみるか、総務や人事部門に確認してみましょう。
ちなみに私が働いている会社は企業型DC+マッチング拠出制度を導入しているため、iDeCoの加入資格条件外にあたります。
始め方を解説!
iDeCoの始め方は以下のとおりです。
① 証券会社でiDeCoを拠出するための証券口座を開設
② 証券会社から送付された証明書を持って、勤めている会社に届け出をする
③ 口座開設が完了したら、掛け金の拠出・運用
大まかな手続きはこれでおしまい。
面倒くさいところは会社への届け出ですね。
① 証券会社でiDeCoを拠出するための証券口座を開設
証券会社はSBI証券か楽天証券でいいと思います。
なぜなら、口座管理手数料が無料だからです。
SBI証券と楽天証券の手数料一覧を作ってみました。
また、SBI証券と楽天証券をおすすめする点として、どちらも低コスト・個性的な商品のラインナップが多いところです。
② 証券会社から送付された証明書を持って、勤めている会社に届け出をする一番面倒くさいところですね。
青枠が自分で記入するところ、赤枠が会社に記入してもらうところです。
担当者によっては、iDeCoに関して理解していない人や証明書を記入する必要性を理解していない人がいます。
しかし、会社側には、従業員から依頼があれば書類作成等は会社の義務であると確定拠出年金法第78条によって定められています。
第七十八条 厚生年金適用事業所の事業主は、当該厚生年金定期用事業所に使用される者が個人型年金加入者である場合には、当該個人型年金加入者に対し、必要な協力をするとともに、法令及び個人型年金規約が遵守されるよう指導等に努めなければならない。
そのため、会社側が一方的に書類作成できないということはありません。
メリット
・企業型DCと比較して、信託報酬が安い商品が多く商品選択の自由度も高い
・掛け金全額所得税・住民税控除
・運用益が全額非課税
・受け取り時に税制優遇
詳細は過去記事で書いてあるので参考にしてください。
デメリット
・60歳まで引き出せない(資金縛り)
・掛け金の変更は年に1回(企業型DCも同様)
・口座開設時、毎月口座管理手数料がかかる(企業型DCでは事業所負担)
特に毎月の口座管理手数料がかかるのは企業型DCと比較して大きなデメリットです。iDecoで、
月1万円拠出する場合 ⇒ 月167円のコスト = 1.67%の運用コスト
月2万円拠出する場合 ⇒ 月167円のコスト = 0.835%の運用コスト
掛け金の金額にもよりますが、運用商品に関わらずこれだけの運用コストが最低でもかかってくるということになります。
もちろん、iDeCoには信託報酬が安い商品が揃っていますが、口座管理手数料等の運用コストも上乗せして計算しないといけません。
60歳までの資金縛りは個人の価値観によってメリットにもデメリットにもなり得るので、自分の価値観と照らし合わせて判断してください。
どれだけ資産形成+節税できる? 将来シュミレーション
企業型DCなし、30歳会社員、年収350万円(日本人全体年収の中央値)、
掛け金2万円/月でシミュレーションしてみましょう。
掛け金24万円/年で3万6千円/月の節税となるので、年15%の節税効果です。
節税の手段があまりない会社員にとっては大きいですね。
運用利回り3%で計算した場合、このようになります。
もちろん、運用益は全額非課税になるので89万円の税金もかかりません。
iDeCoだけでもこれだけの資産を築ければ老後の不安はある程度解消されるのではないでしょうか?
おわり
いかがだったでしょうか?
国が日本人の投資意識改革の1つとして普及拡大を目指しているiDeCoについて書いていきました。
簡単にまとめると、最初の手続きが少し面倒なだけ老後への資産形成と節税が可能です。
あとは、60歳までの資金縛りを個人がどう捉えるのかによって変わってきます。
それではここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくめで自己責任で。
投資の心得・心構え 「とにかく一歩踏み出そう」
今日は投資の心得・心構えについて書いていきたいと思います。
投資の心得・心構えとして、
・まずは一歩踏み出そう
・短期的な値動きに一喜一憂するのは疲れるだけ
・情報はまず疑ってかかる
他にも挙げればたくさんあります。
でも挙げすぎると結局なにを心得て、なにを心構えすればいいのか分からなくなるのでこの3点絞ってみました。
この記事は投資しようか悩んでいる人や投資したいが自分はお金がないから無理と考えている人に見てもらいたいです。
特に20代の若い人へのメッセージ「とにかく一歩踏み出そう」です!
若い人は「時間」が最大の武器です。
まずは一歩踏み出そう
「まずは生活防衛資金を確保!」って言ってたら投資は始められない
投資を始めようと思い立って、まず色んなサイトや投資ブログ、投資に関する本などを見ませんか?
それらでよく目にするのが、
「投資を始める前にまずは生活防衛資金を生活費の2年分や収入の3ヶ月分確保してから、余剰資金で投資をしよう。」
などと言ったものです。
たしかに、もしものときの生活防衛資金は必要です。
自分や親が病気で入院した時… 大きな出費が重なった時…
会社が潰れて無職になった時… 自然災害が起こった時…
これらの未来は誰にも予想できません。
だけど、貯めながら投資もしていくという始め方でもいいと思います。
「生活防衛資金ができたら、余裕資金で投資しよう」という心構えでいると、いつまで経っても投資を始められないということは往々にしてあります。
人はお金が貯まっていくと消費欲も増していきます。
そのため生活防衛資金を貯めていく過程で、なにか欲しいものが必ずできてお金を使ってしまい、また貯め直さないといけないことはよくあることです。
また、余裕資金ができても何かと理由をつけて、投資に回すお金がないと言って投資が始められないケースなどなど。
大事なことは、とにかく投資を始めてみることです。
「とにかく一歩踏み出そう」
少額からでもまずは始めよう
少額からでも投資を始めてみることが何よりも大事です。
積立NISAなら最低100円から積み立て投資を始めることができます。
投資金額はいつでも変更可能なので、100円から始めてみて徐々に投資金額を増やしていけばいいのです。
また、SBI証券では「月ごと」「週ごと」「日ごと」の積み立てが可能です。
どれを選んだからといって、手数料等は変わりません。
他にも、楽天経済圏の人であれば楽天証券からポイント積み立てが可能です。
ポイントで投資ができるってすごい時代ですよね笑
iDeCoでは、最低5000円から積み立て投資が開始できます。
ただ、iDeCoに関しては金額に関係なく、167円の口座管理手数料がかかってきますので、投資金額はできるだけ多い方が対運用コストを低く抑えれます。
口酸っぱく言いますが「とにかく一歩踏み出そう」
短期的な値動きに一喜一憂するのは疲れるだけ
マイナスになるときは必ずある
はじめのうちはたしかに短期的な値動きが気になってしまいます。
自分が稼いだお金が増えたり減ったりしてますもの。
「今日は〇〇円上がった」「今月は〇〇円の損失がある」など。
でも、実際には資産を売却しない限り、利益も損失も確定しません。
いわゆる含み益、含み損というやつです。
短期的な値動きが気になってしまうと、新聞やニュースにも敏感になってしまいます。「今日の日経平均株価は…」とか、「ドル円相場は…」とか、「〇〇企業が不正」とか「世界経済が停滞傾向に」とか、
挙げるとキリがないです。
しかし、分散投資をしていれば1つのニュース記事で資産価値が大きく変動することは
ほぼないです。
そして、株式市場は長期的に見れば右肩上がりの上昇を続けているのです。
もちろん、ところどころ下げているところはあります。
しかし全体的に見るとどの先進国も右肩上がりの上昇ですよね。
だから、長期分散投資をしていくのであれば短期的な値動きに気にすることは意味がないのです。
生活防衛資金は精神的支え
生活防衛資金を貯めながら投資も始めていくのでいいと思います。
しかし、投資をしながらもしっかり生活防衛資金にも目を向けてやってください。
資産運用・資産形成をしていく上で、投資は「攻め」、資金は「守り」になります。
たとえば、リーマンショックのときのことを思い出してください。
米国株式市場では直近のピーク時から、約2年かけて大底まで55%下落しました。
このときに、守りの資金が少ないと精神的にやられてしまい、「もっと下がるのではないか」思い、資産を売ってしまいかねないです。
しかし、守りの資金がしっかりしていると、55%下げでもなんのその。
何なら大底で買い増ししてやろうかという心持ちでもいられます。
長期投資をするのであればリーマンショックのような一時的に大きく下げる時期に遭遇する確率はおのずと高くなります。
そのような時に備えて、やはり生活防衛資金は大切ですね。
情報はまず疑ってかかる
投資を始めていくと、様々な情報を目にするようになります。
「アメリカ経済が…」「中国は終わりだ」「この銘柄がいい」などなど。
特に投資などのお金が絡んでくる情報に関しては注意が必要です。
なぜなら、それらの情報や発言の裏には各人の思惑が隠れているからです。
たとえば、証券会社や銀行があなたに金融商品を提案しているところを想像してみましょう。
彼らは金融のプロです。
一見あなたに最適な商品をプロ目線からアドバイスしてくれているようにも思えますが、少し正解でほぼ間違えです。
彼らは利益を追求することが大前提です。まあ当たり前ですよね。
この大前提のもと考えると、彼らはあなたが商品を買えば儲かるわけで、あなたの資産が増えようが増えまいが関係のないことなのです。
利害関係を考えて情報を見てみると、その情報の裏に隠れている思惑が少しは見えると思います。
ですから、情報を100%信じてかかるのではなく、まず疑ってみましょう。
おわり
いかがだったでしょうか?
今回のキーワードは「とにかく一歩踏み出そう」です。
そして、投資を始める上での心得・心構えをいくつか挙げてみました。
この記事を見て投資を始めてくださる人がいれば幸いです。
ここまで見ていただきありがとうございました。
あくまで投資は自己責任。
金融庁報告書騒動から見える日本で投資が広がらない理由
金融庁報告書騒動盛り上がっていますね。
担当大臣が報告書の受け取りを拒否したり、自民党が撤回要求したりと。
職場でも「将来2000万円不足するらしいで」という会話が聞こえてきました。
また、患者さんにも「老後2000万円足りんくなるらしいな」と心配されました。
身近な会話からも分かるように注目されているのは「老後に2000万円不足」です。しかし、金融庁が目的としていたことは、ただ単に国民の不安感情を煽りたかったわけではないでしょう。
その先にある、積立NISAや確定拠出年金などを普及拡大させ、
国民の投資に対する意識を変えたかったのではないでしょうか?
さあ、この報告書騒動について書いていきましょう。
「老後2000万円不足」だけが注目される
今回の報告書騒動で目に耳にするのは「老後2000万円不足」ばかり。
たしかに老後に2000万円不足することは衝撃的なのかもしれません。
この報告書では、夫は40年間会社で働いて、妻は専業主婦の夫婦が、高齢夫婦無職世帯になった場合で計算されています。
しかし、今は共働き夫婦世帯が増加してきており、報告書のモデル世帯より年金受給が多いですし、老後の蓄えも多いと考えられます。
男女共同参画白書(概要版) 平成30年版 | 内閣府男女共同参画局
あとで詳しく書きますが年金だけでは老後生活はお金が足りなくなるでしょう。
しかし、「老後2000万円不足」だけが一人歩きして、ただただ国民の不安を煽っただけの形になっています。
しかも、「管轄外の金融庁が年金について言及するとは何ぞや」、「担当大臣が報告書受け取り拒否」、「自民党が報告書撤回要求」などで、今後の議論展開が頓挫…
今の状況では本当にただただ国民の不安感情を煽っただけになっています。
年金制度破綻は非現実的
年金制度が破綻するということはほぼ非現実的であります。
年金制度の財源は、①保険料 ②国庫負担 ③積立金 の3つが主です。
①保険料は、
自営業者などの国民年金の第1号被保険者による国民年金保険料とサラリーマンなどの国民年金の第2号被保険者と労使折半による厚生年金保険料などからなります。
②国庫負担は、
消費税などの税金が形を変えて年金に充てられています。
平成16年の年金制度改正で基礎年金国庫負担は2分の1に引き上げられました。
③積立金は、
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による年金積立金の運用で得られた収益です。平成29年度の運用実績は、収益額約10兆円(運用資産額約156兆円の+6.9%)となっています。
年金制度が破綻するということは、保険料を誰も納めなく、そして税金を誰も納めなく、積立金156兆円の取り崩しで底が尽きた場合です。
非現実的ですね笑
所得代替率が下がるのは既定路線
所得代替率とは、年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現役時代の手取り収入額(ボーナス込み)と比較してどのくらいの割合かを示すものです。
所得代替率の見通し~実際、「どのくらい」受け取れるのか | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省
このような図を見ると分かりやすいですね。
将来的にこの所得代替率は低下していく見通しです。
平成26年財政検証での所得代替率の将来見通しを見てみましょう。
所得代替率の見通し~実際、「どのくらい」受け取れるのか | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省
所得代替率の将来見通しは、経済高成長ケースで50〜51%です。
一方、経済低成長ケースでは調整を続けなければ、35〜45.7%となります。
現在(平成26年)の所得代替率は62.7%となっています。
ちなみに2018年度の日本の実質経済成長率は0.8%なので、ケースCあたりに該当すると思われます。
もちろんですが、所得代替率も所得税などのように所得に応じて、パーセンテージが変わってきます。
所得代替率の見通し~実際、「どのくらい」受け取れるのか | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省
現役時代の所得が高いほど所得代替率は低くなり、所得が低いほど所得代替率は高くなります。
所得を再分配しているイメージですね。
とにかく、公的年金給付のものさしである「所得代替率」は現在の62.7%から経済高成長ケースでも約50%、経済低成長ケースでは50%を下回る可能性があるということです。
本当の目的は「国民の投資意識改革」
恐らくですが、金融庁の本当の目的は「国民の投資に対する意識改革」だったのではないでしょうか?
日本人の投資意識
日本、米国、英国の個人金融資産の構成比を見てみましょう。
見ての通り、日本は他国と比較して、個人金融資産の半分以上が預貯金で、株式・投信等の比率は2割以下と低い水準です。
もちろんですが、金融資産の推移も他国と比較して横ばいとなります。
金融庁が色んな策を講じた結果、NISA口座は現在約1300万口座、iDeCo(個人型確定拠出年金)の口座数は100万口座を突破しています。
国民の資産形成に対する意識の高まりが見られます。
しかし、NISAもiDeCo、企業型DCもまだまだ国民の一部しか活用していない状況です。
金融庁は、NISAやiDeCoなどの普及率をもっと伸ばしたいのでしょう。
もっと国民に資産運用を体験してもらって、その上で金融リテラシーを養っていくことが理想です。
そこで、今回のような報告書を公表して老後資産の不安を煽ったのです。
「老後2000万円不足」という具体的な数字かつ注目されやすいワードを使って。
そして、
「国民の投資に対する意識改革を図り、NISAや確定拠出年金の普及拡大につなげる!」という算段だったのでしょう。
しかし、まさかの展開でこの計画は頓挫となったわけですよ…
予想される今後の展開
「老後2000万不足」を利用した詐欺
今後「老後2000万円不足」を利用して、詐欺まがいの保険・投信・金融サービス等
が増加するでしょう。
「国が老後2000万円不足するって言っています。老後資産を守るために今から対策しておきませんか?」
と言って、ぼったくり保険や投信などを売りつける。
確実にこのような詐欺は多くなりますし、確実に騙される人が出てくると思います。
皆さんも気をつけてください。
より貯蓄志向へ
「老後の資産が足りなくなるのなら、今から貯蓄しておかないと」とより貯蓄志向が強くなっていくでしょう。
そして1銭も無駄にできないから、リスクのある投資なんてできませんってなっていくことが考えられます。
しかし、それではいつまで経っても金融リテラシーは身につきません。それどころか、今回のような格好のネタを利用した詐欺に騙されるのがオチです。
投資・資産運用を体験してみて、分からないことを勉強して、知識を身に付ける。
やはり、経験から得られる知識は計り知れないですよ。
おわり
今回の報告書による「老後2000万円不足」は国民の不安感情を煽っただけになりました。
それが国民の老後の資産形成をする自助努力に繋がればいいのですが…
ここまで見ていただきありがとうございました。
投資はあくまで自己責任で。
私の投資スタイルはインデックス投資です。
いきなりですが、今日は私の投資スタイルについて書いていきたいと思います。
タイトル通り、私の投資スタイルは「インデックス投資」です。
なぜ自分の投資スタイルについて記事にしようと思ったのかと言うと、ブログ主が実践している投資によって、読者の記事に対する捉え方が変わると思ったからです。
たとえば、「株式投資しています」って人が不動産投資の話をしても「ん?この人不動産投資してないはずやのに… なんかあんまり信用できんな」ってなりませんか?
私はなります。
「理屈は分かるけどそれ机上の空論でしょ」って思っちゃいますもん。
今後インデックス投資以外のことを書くこともあると思います。
なので自分の実践している投資を知っておいてもらい、記事に対する判断材料にしていただければなと思って、今回の記事を書きます。
インデックス投資との出会い
資産運用のきっかけは「金持ち父さん貧乏父さん」ですが、インデックス投資のきっかけは「お金は寝かせて増やしなさい」です。
まず最初にお金の失敗から…
プロフィールでも書いたように、最初の投資?投機?で速攻失敗しました笑
詳しくは下の記事で。
投資に対する私のイメージは、株価が変動することによって株式の売買で得られる利益(キャピタルゲイン)と資産を保有することで定期的に得られる利益(配当金、株主優待=インカムゲイン)得ることの2つでした。
なぜか投資=株のイメージが強かったのです。
そして、最初の投資で失敗して、「投資するなら結局株せなあかんのか〜」と思い込み少し株の勉強し始めます。
しかし、利益を得るには「いつ買うか?なにを買うか?」「利食いは?損切りは?」など、その企業の情報を常に把握しておかないといけないし、チャートも見ないといけないし…
最初の投資同様、「人の話に流されて買ってしまいチャート気になって仕方ない病」になりそうな予感しかしませんでした笑
「金持ち父さん貧乏父さん」で投資の重要性は理解した、じゃあ自分にとっての最適な投資対象は?と思ったときに出会ったのが、「お金は寝かせて増やしなさい」です。
最初タイトルを見たときは、「おいおい、そんな簡単な方法でお金増やせるって絶対裏あるでしょ」と思いました笑
しかし、実際に読んでみると「短期的には資産を増やせないが、長期的にはしっかり資産を築くことができる」と。
自分にとって最適解の投資方法かもと感じました。
長々と経緯を書いていきましたがそろそろインデックス投資について書いていきます。「お金は寝かせて増やしなさい」をところどころ参考にさせていただいています。
それでは本題へ。
インデックス投資とは?
まずインデックス投資の定義は、
「日経平均株価、TOPIX、S&P500、ダウ平均株価などの株価指数に連動した値動きを目指す投資手法」とされています。
いまいちよく分からない人に向けてそれぞれの株価指数を解説します。
日経平均株価とは、東証1部の市場流動性の高い銘柄を中心に業種間などのバランスを配慮して選定した225銘柄の平均株価です。年に1回構成銘柄の入れ替えを行います。TOPIXとは、東証1部全銘柄を対象に、その時の時価総額の変動をとらえた指数です。
ダウ平均株価は、ボーイング、アップル、ゴールドマン・サックス等の米国経済を代表する工業株30銘柄で構成されています。日経平均株価と同様に平均株価を指数化したもの。
S&P500とは、米国の証券取引所で主要業種から流動性がある大型株500銘柄で構成されています。TOPIX同様、時価総額を指数化したもの。
ここで注目してもらいたいのが、それぞれの株価指数に関係する銘柄数です。
日経平均とTOPIXはどちらも東証1部の中から選定されており、TOPIXの方が銘柄数は多いです。
つまり、TOPIXの方が投資対象がより分散しているということです。
ダウ平均とS&P500では、S&P500の方が圧倒的に銘柄数が多く=分散しているということです。
S&P500に連動するインデックスファンドを買えば、米国企業全体に投資できるとされています。
しかし、これらの株価指数に連動したインデックスファンドをただ買えばいいというものではありません。
このブログでは、『ウォール街のランダム・ウォーカー』でも推奨されている、「世界中に分散したインデックスファンドを積立投資でかつ長期保有すること」をインデックス投資としています。
メリット
・簡単に分散投資が可能
インデックス投資とは?
⇒世界中に分散したインデックスファンドを積立投資でかつ長期保有することでしたね。
つまりインデックス投資は、
世界中に ⇒ 地域の分散
インデックスファンド ⇒ 資産の分散
積立投資かつ長期保有 ⇒ 時間の分散
が可能ということです。 しかもめちゃめちゃ簡単に。
分散分散ってそんなに重要なの?と思われた方………めちゃめちゃ重要です笑
分散効果としては、
①リスク要因の分散
1社だけに投資していて、その会社が潰れたら株の価値ゼロになります。
しかし、複数の会社に投資していれば1社潰れても損失は限定的です。
有名な「卵を1つのカゴに盛るな」というやつですね。
②マイルドな値動きになる
違う値動きをするものを組み合わせることで、トータルの値動きを抑えることができます。
つまりより分散効果を得るには、「数」よりも「値動きの種類」が重要です。
③リスク・リターンのバランス調整
これは②に関連することですが、組み合わせによって自分に適したリスク・リターンのバランス調整ができます。
・グローバルスタンダードな投資法
公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)はインデックス投資をメインに資産運用を行っています。
バークシャー・ハサウェイ会長兼CEOで、世界長者番付3位の投資家でもあるウォーレン・バフェットもこのインデックス投資を推めています。
国の行政機関も世界3位の投資家も実践しているってことは、グローバルスタンダードな投資方法と言っても過言ではないです。
・少額から可能
投資ってある程度のお金が必要と思っていませんか?
今の時代、毎月100円からでも投資ができるんです。
SBI証券や楽天証券などのネット証券では月100以上1円単位から積立可能です。
なぜ月100円からでも可能なのかと言うと、
インデックスファンド(=投資信託)は、投資家から集めたお金をまとめて大きな資金として、運用の専門家が株式・債権などに投資・運用するものだからです。
デメリット
・短期的に大儲けはできない
短期的に大儲けできない理由は、分散効果の1つの「値動きをマイルドにすることができる」というところです。
インデックス投資は、安定的な値動きで長期的に資産形成を目指していくため、人生一発逆転できるような大儲けはできないということです。
というか人生一発逆転できる可能性のある金融商品はその分リスクも高く、ほとんどの個人投資家 は逆の意味で人生一発逆転してしまいます笑
・手数料に注意
投資信託には手数料がかかってきます。
主には、①購入時手数料、②信託報酬、③信託財産留保額の3つです。
最近は、購入時手数料が無料のノーロード信託報酬というものもあります。
この3つで気をつけてないといけないものが、信託報酬です。
信託報酬は、投資信託を持っている間、毎日かかる手数料です。
つまり、リターンを直接的に押し下げる要因になってしまいます。
これは確定拠出年金のところでも少し触れていますのでまた見てみてください。
インデックス投資では、信託報酬ができるだけ安い商品を選んで、運用コストを削減することがかなり重要となってきます。
おわり
いかがだったでしょうか?
私の投資スタイルであるインデックス投資について書いていきました。
このインデックス投資については色んなブログ、色んな本があるので真似・参考にしやすい投資方法かと思います。
また、投資の中でも参入障壁はかなり低い方かと思いますので是非実践してみてください。
あくまで投資は自己責任と言うことをお忘れなく。
ここまで見ていただきありがとうございました。
確定拠出年金で節税!! 企業型DCについて
今回は確定拠出年金の企業型DCについて書いていきます。
少し前から話題でしたが、まだ知らない人や聞いたことはあるけどどんなものか分からない人が多いんじゃないでしょうか?
私の病院でも知らない人は多いです。
同僚は「全く聞いたこともない」と、もちろんどんなものかも知りませんでした。
10歳上の上司も「確定拠出年金してますか?」と聞いたところ「知っているけど、なんか会社が積み立ててくれている」と。
ちなみに私が勤めている事業所は「企業型DC+マッチング拠出」です。
今回は企業型DCの概要とメリット・デメリットを書いていきます。
確定拠出年金とは?
まず日本の年金制度について軽く解説しましょう。
年金制度は3階建て構造で構成されています。
分かりやすいようにイラストを使って説明します。
引用:https://www.toushin.or.jp/dc_contents/outline/
国民年金(1階)と厚生年金(2階)が公的年金と呼ばれるものです。
そして確定拠出年金(3階)で構成されています。
違いについて、「支払ったお金の行き先」という面から見てみましょう。
国民年金と厚生年金は賦課方式が採用されています。
現役世代が年金受給世代に仕送りをするイメージです。
つまり、支払ったお金は将来の自分の年金に充てられるわけではないということです。
対して、確定拠出年金は積立方式が採用されています。
つまり、自分が支払ったお金は将来の自分の年金に充てられるということです。
年金制度の詳細はまた記事にしたいと思います。
企業型確定拠出年金とは?
企業が毎月掛け金を拠出し、加入者(従業員)が運用を行う制度です。
加入者自らが年金資産の運用を行うため、個人によって将来受け取れる年金の額は変動します。
ひと月あたりの限度額は、他の企業年金に加入しているか否かで変わります。
・他の企業年金なし ⇒ 55000円 /月
・他の企業年金あり ⇒ 27500円/月
(厚生年金基金や確定給付企業年金など)
確定拠出年金+マッチング拠出とは?
企業が拠出する掛け金に加え、加入者も掛け金を拠出できる制度です。
ただし、「企業掛け金 ≧ 従業員掛け金 」かつ「ひと月の限度額以下」です。
企業によってはマッチング拠出制度を導入していない場合もあるので、自分の勤めている会社はマッチング拠出制度を導入しているか担当部署(総務など)に一度聞いて見ましょう。
メリット
① 運用によって得られた利益は非課税
通常、資産運用で得られた利益には20.315%の税金が課せられます。
しかし、確定拠出年金では運用益に対して非課税のため、そのまま貰えるということ です。
② 受け取り時にも税制優遇措置
受け取り方法としては、「年金」か「一時金」です。
年金として受け取る場合は雑所得とみなされ、公的年金等控除が受けれます。
雑所得= 公的年金等の収入金額 ー 公的年金等控除額
一時金として受け取る場合は退職所得とみなされ、退職所得控除が受けれます。
退職所得= (退職金等の収入金額 ー退職所得控除)✕ 1/2
③ マッチング拠出の掛け金は全額所得控除 = 節税
マッチング拠出制度で加入者が拠出した掛け金分は全額所得控除になり所得税・住民税を軽減させることができます。
たとえば、課税所得300万円の人が毎月1万円マッチング拠出した場合、
所得税12200円+住民税12000=年間24200円の節税となります。
節税一覧表を参考にしてみてください。
④ 口座管理手数料は事業所負担
iDeCoでは、加入時・移換時に手数料2777円がかかります。
また、口座管理手数料167円/月がかかります。 ※SBI証券の場合
企業型DCの場合はこれが全額事業所負担で加入者は手数料なしです。
「最初に2777円で、あとは月167円払うだけか」と軽く捉えてしまわないように。
確定拠出年金の運用商品は投資信託が多いですが、投資信託を選ぶ際に運用コストを気にすることはかなり重要です。
iDecoで、
月1万円拠出する場合 ⇒ 月167円のコスト = 1.67%の運用コスト
月2万円拠出する場合 ⇒ 月167円のコスト = 0.835%の運用コスト
これに加えて投資信託の購入手数料や信託報酬が運用コストに上乗せされます。
1.67%はかなり高いですし、0.835%でも今の投資信託商品と比較すると高い方です。
なので月167円でも軽く捉えてしまわないように。
デメリット
① 60歳まで引き出すことができない
企業型、個人型(iDeCo)ともに確定拠出年金全般は、原則として60歳まで資産を引き出すことはできません。
投資全般に言えることですが、「投資は余剰資金で」ということです。
若い時は今を楽しむためにお金を使いたいという人には不向きですね。
社会人1年目だと給料が入ったら買いたいものを買ったり、美味しいものを食べたり、いろんなところに旅行行きたくなりますよね。
ここの部分はライフプランやお金に対する個人の価値観によりますので、確定拠出年金をしているからどうとかではないと思います。
なのでいま一度、ライフプランや自分の価値観を確かめてください。
② 運用商品の信託報酬が高い
これも大きなデメリットですね。
iDecoの運用商品の方が信託報酬が圧倒的に安いんです。
同じベンチマークとする、企業型DCの商品とiDeCoの商品で信託報酬を比較してみましょう。
私が企業型DCで運用している商品は「DC外国株式インデックス・オープン」です。
この商品の信託報酬は0.8460%以内です。
ベンチマークはMSCIコクサイ・インデックスです。
一方、同じベンチマークのiDeCoの商品は「eMAXIS Slim先進国株インデックス」。
こちらは信託報酬は0.11772%以内です。
全然違いますよね笑
0.73%の差ですが、かなり大きいです。
しかし、上でも言ったようにiDeCoのは口座管理手数料が別途必要で、企業型DCが無料です。
つまり、iDeCoの掛け金によって運用コストの差は変化するので、一概に企業型DCの商品がぼったくりとは言えません。
③ 運用商品の自由度が低い
私が加入している企業型DCの運用商品は全19種類です。
国内株式、外国株式、国内債券、外国債券はだいたい2〜3種類です。
対して、SBI証券のiDeCoの運用商品は、
国内株式19種、外国株式21種、国内債券3種、外国債券種です。
選択の自由度が全然違いますよね笑
ここに関してはデメリットかメリットかは人によるかもしれません。
たくさんの商品から自分にあった商品を選択したい人にとってはデメリットですし、多すぎると逆に選べないから少ない方がいい人にとってはメリットですね。
まぁその人次第ってことです笑
おわり
いかがだったでしょうか?
年金の話から、確定拠出年金、iDeCoとも比較しながら企業型DCについて書きました。
分からなかったことや間違っていることなどありましたらコメントください。
よろしくお願いします。
そして投資はあくまで自己責任とお忘れなく。
ここまで見ていただきありがとうございました。